第15話
天海は驚きで固まる。
「…アンタが、アンタがあんな酷いことを!」
バチバチと天海の体から火花が散る。
「覚悟なさい、アンタの目の前にいるのは異能都市第7位!天海恵よ!」
天海の両手に火花が集まる。
両手を前に突き出した天海は叫ぶ
「
天海の声が聞こえたと同時、天海の両手から轟!と火炎放射に近い爆発が繰り広げられた。
大量の煙が立ち込める中笑い声が聞こえる。
天海はギョッとする。
「嘘でしょ…」
そこには無傷の少年と少女が立っている。
今まで喋らなかった少女が口を開く。
「
そう、この少女の異能は空気凝固、その名の通り空気を固めることができる異能だ。
空気を固め足場を作り、攻撃を防いでいたようだ。
天海はふと気づいた。
(そもそもこいつがアクアの言っていた”アイツ”であるという確信は無い。)
そこまで考えて天海は
(少し試すか。)
「あんたさぁ、自分が手下を溶かしたアクアの言う”アイツ”って証明できるの?」
天海の煽るような口調に少年は
「あそこのビルに降りようか。」
ビルの屋上にて天海は
「ここで何をするってのよ。」
「証明さ。」
少年の言葉と同時に少年の右手から液体がドロドロと吹き出てくる。
その液体がビルに触れた途端
ビルが溶けだした。
「!?」
天海が固まる。
足場がどんどん崩れていくのだ。いや、溶けていくと言った方が正しいか。
溶けて崩れゆくビルの中で天海は考える
(コイツの溶かす異能…やっぱりコイツが”アイツ”なのね)
溶けだすビルからたくさんの人が出てくる。
ビルは倒壊したのではなく”溶けた”ので、けが人は居ない。
不幸中の幸いと言うやつか。
ビルから脱出した天海は人混みに紛れて作戦を考えていた。
(私の攻撃は防がれるし、あの溶ける液体に触れたら多分1発アウトだろうし。もう!どうしたらいいのよ!)
「おーい、天海!」
(この声は…)
「アンタなんでここにいるのよ!」
桐谷だった、横に千奈もいる。
「そりゃあんな大爆発の後にビルが溶けだしたら様子見に来るだろ。」
桐谷の言葉に思い出したかのように
「そうだ!そうなのよ!ビルが熔けたのよ!アクアの言っていた”アイツ”が居たのよ!」
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