第14話

天海恵は夕方の空を飛んでいた。


正確には爆破の勢いで空を飛んでいる。

桐谷たちとの話が終わり、家に帰ろうとしていたのだが今日の夕飯に使う材料を買っていなかったのだ。


「カレーでも作ろうかしら。」


天海は呟きながら空を飛ぶ。

今日の夕飯を考えていると突如謎の液体が飛んできた。


「…!」


天海は咄嗟に液体を爆破する。


「誰よ!出てきなさい!」


天海の叫びに対し嘲るような声が聞こえる。


「ははは、この程度はさすがに対処するか。」


素早く振り向くとそこには見慣れない少年と少女が1人ずつ。

いや、注目すべきはそこじゃない。

浮いているのだ。

いや、教室で浮いているとかそうではなく。

物理的に浮いている(飛んでいる?)のだ。

おそらく少年か少女の能力だろう。


「ふふ、君が考えている事を当ててやろう。なぜこんな所に人がいるのか、そしてさっきの液体は何か?どうせそういった所だろう?」


謎の少年の言葉に天海は


「そこまで分かってんなら答えなさい!」


少年は何も答えない。

天海は少し焦っているようだ。


(私の異能はバレてるはず、対して私は相手の異能が分からない、しかも人数不利。)


小さく舌打ちをする。


「アンタ達もどうせアクアの言う‪”‬アイツ‪”‬の手下何でしょ!情報、吐いてもらうわよ!」


そこまで言って天海は2人に狙いを定めたその時。少年が口を開く。


「その‪”‬アイツ‪”‬ってのは」


そこで言葉を区切り


「僕だ。」

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