第11話

「溶け、た?」


ぽかんとした顔の千奈が戸惑う。

天海が千奈にこれまでの事を説明する。


「…ってことがあったのよ。」


重苦しい雰囲気が桐谷、天海、千奈の3人にのしかかる。

しばらくの沈黙の後、ようやく千奈が口を開く。


「そんな、酷いこと…」


ああ、と桐谷は頷く。

その間異能審判が現場を仕切っている。

事件現場にいた人間の中に溶かす異能を持っているものは居ないということでその場の人間は家に帰された。


帰り道にて3人はこれからのことを話した。


「アクアを倒したことによって俺と天海は狙われている。」


桐谷の話に相槌を打つ天海が話し出す。


「最初はコイツが事件に首突っ込んで私に助けを求めてきたんだけど、偶然なのか仕掛けられた事なのか。」


桐谷と天海の話を聞いて千奈は


「…何かあったら言ってね、私も役に立つはずだから。」


うん、と二人は頷く。


3人の夏はそれぞれ始まった。

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