第10話

桐谷が金髪の少女と戦っていた時、天海と千奈の元にもアクアが言っていた‪”‬アイツ‪”‬の手下が来ていた。


「あんた誰なのよ!何しに来たの!」


天海の問に、目元が黒髪で隠れた160cm位の少年は


「話す必要は無い、一瞬で終わらせる。」


そう言うと、腕と足から刃が生えてきた。

おそらくそういう異能だろう。

天海に襲いかかる目元が隠れた少年は確実に天海の首を刈り取るつもりだ。

だが天海は1歩も動かない、動く必要も無いと言わんばかりの表情で。

そして目元が隠れた少年は天海の首を刈り取った。


はずだった。刃が通らない、止められた。

目元が隠れた少年は何が起こったか分からない。わかる必要も無い。


相千奈の異能はシールドだ。 バリアのようなものを身にまとったり、逆にまとわせたりする。そのおかげで天海は無傷だ。


「爆発姫って、しってるかしら?」


天海の言葉に目元が隠れた少年は脳の処理が追いつかない。


「私に挑む度胸に認めて教えてあげるわ。私の異能は崩壊爆発エクスプロージョン。最強の爆発系よ。」


楽しそうに語る天海の横でニコニコと千奈は微笑む。さあ、爆発の時間だ。


周りに被害が及ばぬように千奈はバリアを張る。そして天海が爆発させる。

簡単な事だった。

バリアを張ったため、けが人はゼロ、そして建物に被害もない。

さらに目元が隠れた少年も捕まえた。

完璧だ。

周りから拍手が送られる。

ドヤ顔の天海、恥ずかしそうな千奈。

ボロボロの目元が隠れた少年。


カオスだ。


異能審判が来たようだ。

あとは現場を任せて全部解決。


だがそうはいかないようだ。

やはり目元が隠れた少年も溶けだした。

唖然とする周り、遅れて到着した桐谷、

それを見て唖然とする。


「やっぱこうなるのね。」


つまらなさそうに天海が呟いた。

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