第8話

翌日


天海は女子寮の一室で目覚める。


顔を洗い、歯を磨く、そして朝食。現在時刻午前11時 そう、俗にいうだらしない生活というやつだ。


いくら百万人はいる異能都市の第七位といえど所詮は中学二年生の子供だ。

そこらにいる中学生と何ら変わりない。


朝食を食べ終わった天海は出かける準備をするようだ。

財布を手提げ鞄に入れ、ドアを開ける。


目の前にはいつも一緒にいる少女 相千奈あいのちながいた。


背中まで伸ばした長い黒髪に天海と同じ紺色のブレザーと紺色の長いスカートを身にまとっている。


夏休みなのになぜ制服を着ているのか、それは誰にもわからない。


「ごめん!まった?」


天海の問いに対し千奈は


「ううん、いまきたところだよ。」


優しく微笑む。

ならよかったと二人は買い物に出かける。


彼女らが買い物に行く場所は異能都市最大級のショッピングモールだ。


「私色々買いたい物のあるんだけど、千奈はどうする?」


「私は特に買いたいものないから恵ちゃんについてくよ。」


じゃあいこっか、と天海と千奈はまず食品売り場に向かった。


食品売り場にて

天海は気だるそうに


「あー、そういえば砂糖切らしてるんだった、どこにあるんだろ。」


「あっちじゃないかな?」


千奈は優しく指を指す。


異能都市の学生は親と離れているため基本自炊している。お金はどうするのかという問題は親からの仕送りで解決だ。しかも大抵の学生は多めに貰っているため普通の学生より多少裕福だ。


「っと、あった あったよ ありました♪」


と愉快げに歌う天海を微笑みながら千奈は見ている。まるで保護者だ。


そんな愉快な2人とは正反対に、桐谷美鈴は今大変な目にあっている。


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