第5話

桐谷美玲は水の異能力者と闘いながらとある少女に電話している。


そう、天海恵だ。彼女は異能都市の中で七番目に強い爆発系の異能力者だ。

(爆発系の異能力者の中では最強)

今回の様な水を操る異能力者が相手の場合は最高の相性だろう。


「はーいもしもしー?」


ゲームセンターにいるのだろうか。

様々な機械音とメダルのジャラジャラとした音と共に彼女の声が聞こえてきた。


「天海、頼む!詳しい理由は説明してる暇はないんだ!とにかく来てくれ!」


桐谷の焦るせる声に天海は一気に真剣になった。


天海に位置情報を送った桐谷はあとは耐えるだけだ。


「なあ、おまえは誰なんだ!なぜこんなことをした!?」


桐谷の問いに水の異能力者は仲間を呼んだかと思いつつ


「ふん、まあ答えてあげてもいいけどね。」


つまらなさそうに、だが楽しそうに水の異能力者は答える


「僕の名はアクア、水を操る僕にふさわしい名前だろう?」


「アクア?コードネームかなんかか?」


桐谷の問いに水の異能力者は答えずに水の槍を投げてくる。

桐谷は瞬間移動で難なくよける。


アクアと名乗る水の異能力者は少し焦っているようだ。


(あいつが呼んだやつはおそらく僕の苦手な電気か炎、あるいは爆発系の能力者だろう)とアクアは考える。


歯を食いしばり次の攻撃を仕掛けようとしたその時


アクアの右半身が爆発音とともに吹き飛んだ


「かっ、はっっ?」


戸惑っている水の異能力者アクアを横目に


「あららー、ちょっと外しちゃった?一撃で消し去るつもりだったのに」


かわいらしい少女の声が聞こえる。


そう、天海恵だ。


「やっときたか!天海!」


喜ぶ桐谷に手を振りつつ次の攻撃を仕掛けようとする。

が、いない。

アクアは逃げている、水で体を作り直し、ただ逃げる。


「聞いてない!聞いてないぞ!何でここに第七位がいるんだ!?」


わめくアクアを気にも留めず天海は攻撃を仕掛けた。

もちろん、殺さず瀕死になる程度に。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る