list1:オパールの水?

昨日何してたか、忘れちゃった。

カクテルを飲み干した翌日はなんだかイケる気がするの!

おっと通りすぎた!火花を散らしてUターンをかます。スピード飛ばして走る高速道路にいるのは二人のみ。

「飛ばしすぎはよくないってば」耳に胼胝たこが出来るほど聞いた話。

「これこそが泥棒である!」

「あのときみたいに事故っても知らないからね」彼はここ最近購入した本を読む。最近のAIの作る小説は面白くないと小言を口々漏らしている。あんたもAIだろうが。


夜風を見方につけ、都心へ向かう。

「...白いオパールを選ぶだなんてナンセンスだね」ファルノが口を開いた。

「なんで?綺麗じゃん。」

「なんか、運勢悪いらしいよ」

「それ嘘」れっきとした嘘である。さっき調べた。

「がーん。」口から効果音。

「AIも嘘を喋るんだね」

「情報化社会だもの、仕方ないよ」

「主を最適解に連れていくのがあんたの使命じゃない?違う?」

「...じゃあなんでボクは捨てられたんですか~」

「知りません。役に立たなかったんじゃね?知らんけど。」

「クソイラつく...」ファルノは全く、怒りっぽいんだから。

「けっ。」こう笑っとけばいいと思う

「何その笑い方ムカつく」あっキレた

「そんな怒ってたら電力消費しちゃうよ?」なんかノリが良いな...

「あ゜あ゜あ゜!」人間には出せない不可解な声を上げる。

「やめろ、今回の仕事は難しいんだよ___っと、やっと到着か。泥棒は泥棒らしく、変装だ」


「警備員に成り済ますんだぞ?いいか?」

「...」

「はぁ、怒るのもそれくらいにしとけ。あんたの敵が今日居るからな」

「...誰。」

θ型エリート4。」

「は、はぁ!?嘘だろあいつかよ!?あの最難関突破したあいつゥ!?」

「しっ!話は後で聞くから。パスワードは盗めた。だが、レーザーに関しては警備員は誰も知らない。気をつけて。」


赤と青のレーザーを飛び潜りを繰り返しビルの最上階。

階段が崩れかけてたり、エレベーターからゾロゾロと人が出てきたり、危なかった。しかし、いざ姿を表してもバレない。警察って、目が節穴?

「私の仕事は怪盗ではなくだ。豪快にやったれファルノ」

「仰せのままに~...さーて!!!一発やっちゃいますか!帰ってきてす・ぐ・カクテル作っといてよね!」

「はいはい。分かったからドカーンって殺ってきて」

「はいよぉ!一発目ェ!」戦闘体制になると、必ず性格が男になる。取り憑かれたかのようにな。

そして現場は大混乱。皆必死に宝石を守ってる。しかしそれも愚かだ。土煙から盗み出すという古典的な作戦だが、案外上手く行く。

「からの二発目だぁ!」爆風が土煙を促す。少し咳き込む。そろっと最上階が崩れそうな気がしてならない。

「三発目だ三発目ぇ!」これで合計四発目。はぁ、調子に乗りやすいから...


『ほんと面倒ゴト起こすよな』

土埃から現れたのは背が高く、荒々しいブラウンの一つ結び。

「!?」その声...θ型か!

「ファルノだったか?こんな変な主と旅してるんだって?はは、おもしれぇな。」変とは失礼な、これも仕事だよ

「なによバイス、喧嘩の在庫は売り切れだけど?」

...あっ、バイスって言うんだ...初耳。

「こんなチビポメラニアンとは喧嘩する気はないっちゅーの」ファルノの頭をツンツン叩く

「これ以上口出さない方がいいよ、今こいつイライラしてるから」

「君引っ込んでて」は???なにこいつ????

「うっざ。だから友達居ないんだよ。しかもこいつ女子。ひやー、だから恋が出来ないのか~カワイソー」ファルノが追い討ちをかけるが

「昔と変わらないな」無力であった。

「ありがとう」反抗。

「可愛くな~い」反撃。そしてデコピンをかます。

「ひゃにゅっ!」


「ファルノと主連れてどっか行かね?」親指をクイクイッと後ろへ向ける。

「久しぶりだし?」

「罠だろそれ」

「いーや、オレこの仕事飽きたんだよ」

そ れ 一 番 言 っ ち ゃ い け な い ヤ ツ だ ろ 。

レイティスの心がそう言う。

「罠だと思ったら取り敢えずついてこいよ」

「それマズいよやめなよファルノ」

「引っ掛かったらこっち責任取るし」

「は?」

「んじゃ、そのバイクで着いてきな!」そう言いながら、ビルから飛び降りていく。目の前には、二人目の新しいバイク相棒がそこにいた。

『うわあああああぁぁぁぁぁぁぁ』


うがああ゛あ゛...走馬灯が見えた。うわぁ...死ぬかと思った...

「よっ、おっせーぞ?」

やだー、あいつの指示に従わなきゃいけないのかよ~。てかバイスお前は何悠々自適にバイクに突っ立ってるんだよ神様の真似かよ。


「ハイハイ着きましたよお嬢様♡」

「おろせっ!この変態!どスケベ!胸触るな!揉むな!尻触るな!バカ!お前もう回収されろっ!同じ苦しみ味わえ!あんた同じ男型だろ!自覚持て!」

...人のいる前でイチャイチャするな。そしてファルノ、あんたは言い過ぎだ。

「タノシソウデナニヨリデスネ」

「レイティスも止めろよ!!だーかーらー!胸を!触るな!バカ!お前のシステムどうなってんだよ!」

「こういうチワワは撫でておけばどうにかなるんだよな」

「キャン!ギィ...」

「威嚇してるーカワイー」


「で、例のブツ。あんたが欲しかったヤツだろ、ファルノの主?」

簡単に貰えたよ。てかバイスに目が行ってたからオパールをド忘れしていた。

「これからオレ、どうなると思う?」

「軍に追われて処分、でしょ?」

「よく分かったね」指を鳴らす。ファルノは唸っている。

「で、何をして欲しいか分かるでしょ?」

「...仲間にしろと?」

「ええええ!?仲間?ムリムリ協調性失うから」

「なー、いーだろファルノ?酒奢るし」

「ギィ...」私を睨むなバイスを睨め...あっ、意思が伝わった。そっち睨んで。よしよしと小声でファルノを撫でる。これがプロか...

「もしかしたら...?」

もしかしたら...?もしかしたらって何。

「ねーレイティス助けてー、バイスがボクを奪おうとしてますー由々しき事態でーす」

「いいけど逃避行はナシね?今実際追われながら逃避行してるから。」

バイスはファルノに「B&B」を奢り、私には「ローザロッサ」を奢ってくれた。

「んむぅ...もう眠いや...」

「例のものは貰えたし、帰りますかな。オレは別にバイクあるんで並走して帰りましょうや。というこで、ファルノちゃんはオレが貰ってきます♡」

「おいやめろ返せ!軍に見つかるから!てかあんたも関係者じゃないか?」

「あれま、じゃあ着いていきますかな...辞表はもう出したので良いです」

「はぁ...ご自由にどうぞ」


結局、並走して帰ることになった。着いたら、既に二人はデロデロだった。

白く自然に輝くオパールは、そっとキッチンの引き出し奥へと隠した。

私もあくびをしたのでベッドルームに直行。

次の朝、何が起きたのかは分かりませんがあいつら二人は何故か仲が良くなってました。ふざけるな、仲間はずしはよくない。

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