出発

今日起きて知ったことなのだが、「予言の書」はデマだったことがニュースで改めて分かった。凄く悲しかった。まぁこの時代、デマはあるしな。悔しいけど仕方ない仕方ない。本気にしたのが悪かったな。


ファルノは「やっぱそうだろうね」とニュースを観ながら言っている。

「んだよ、何か知ってんのか?」知ってるような素振りをしてるから怪しい。

少しの沈黙が過ぎ、ファルノはクスクスと笑い始めた

「ねぇレイティス、僕を舐めないでよ、AIだからフェイクぐらい見抜けるよ」

は?嘘ってこと分かってて騙したって訳?

「最初っから言えよ!」

「でも人救えたじゃん。いいじゃん?」

「目的はそっちじゃないのよ...」

「そう落ち込まないでよ~。んで、次は?一攫千金狙えるダイヤモンドの指輪?僕楽しみだよ、レイティスと何処でも行けるって。3年ほど眠ってたけど、眠るって、微妙に体力使うんだよね。」

「ファルノ、終わった?」

充電が終わる音がした。

「うん!元気MAX!」

「それはそれは。んじゃ出るか、今日は世にも奇妙なギターだ。」

さーて、準備が整った。さぁ出よう!って時に必ずがいるのだ...


目に悪い赤と青の回転灯パトランプが止まない。

「君がレイティスだね?」アメリカの陽キャ隊員が話しかけてきた。

「いい加減逃げるのやめたら?」誠実な姿をしてやって来た青年。

「...」青年の妹であろう、静かな少女。...妹?あんまり似て...ない?

「ボク、隊長と遊びたいのにさ」嘲笑う副隊長と、そして...

「ほらほら、こんなに皆迷惑してるんだぜ?」苦笑している隊長である。

やっと名前を覚えらた。髪色が蛍光色のサイドポニー「キャリー」、一番マトモな「ユウイチ」、無口な「ユズキ」、カイリのストーカー「リート」、そして隊長である「カイリ」。

なんでこんな人数に追っかけられるのだ...?せめて二人だろ...

「バイクは使えないよ、ガソリンは抜いておいたからね」

「何してくれてんだよ私のバイクに!!」

「いやー、どう逃げるか気になってて」リートこちらに微笑む。

ファルノから怒りの眼差しがリートに注がれているのを感じる


「あとですね」ユウイチが呆れた表情で声を出す。

「そちらの方、回収命令が出てるんですよね~」

ファルノが焦り出す。

「どーしちまったんだよファルノ!?潤滑油漏れてるぞ!?」

「あっ...ああ...また地獄が始まる...」

どう見てもフラッシュバックしているようにしか見えない。

過去に酷いことでもされたのか?

「今までの情報が残っていると聞いたので」

「クソっ、消しときゃよかった...消したら消したで今の人格はなかったのかもしれない...なんなんだよ...どうすりゃいいんだよ...」

探せ...言い訳を...

「もう一機ありましてね、そっちの方が貴重だと思うんですよね、」

もう一機なんてない...なんて事を言ったんだ...

ファルノを連れて家に入る。もう引き返せない。

部屋の中に銃があったことを思い出した。確かテーブルに...

「お、あった」

ファルノを二階の隠し部屋に入らせる 

「最悪の場合、私が死んで、この部屋が見つかったら乱射しな。決して自爆装置を起動させるなよ?お前だけでも生きていて欲しいんだ。あとでトラウマの経由も聞かなければいけないしな。とにかく、死ぬのはよしてくれよ。手榴弾あるからな、この部屋に。いいか?」

ファルノは、コク、と頷く。


その顔には、不安と後悔が混じったような顔だった。


「じゃあな、行ってくるぜ。」

金属の床の音が開戦を告げる

防備もバッチリだ

銃三個、手榴弾三十個、弾は八十個ほど。

「望みはこれだね?」

私は銃を構えた。





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