高森湧水トンネル公園 (熊本県阿蘇郡高森町)

 南阿蘇の田園風景を、東西に走る『南阿蘇鉄道』。

 この鉄道は、豊肥本線(JR九州)にある立野駅(西端)から高森駅(東端)を繋ぐ鉄道で、さらに東へ延伸を目指し『高千穂鉄道』との乗り入れを目指していました…因みに、その当時の名前は『国鉄高森線』と『国鉄高千穂線』と呼ばれておりました。


 そして、この2つの鉄道を接続すべく掘削されていたトンネルこそが、今回紹介する『高森湧水トンネル』です。

 お察しの通り、このトンネル掘削工事は失敗に終わり、残されたモノは湧水量毎分32トンを誇る奥行き2km の人工の横穴です。


 トンネル内部は一年を通して19℃ と安定しており、夏は涼しく、冬は温かい空間となっています。

 というわけで、夏になると地元の幼稚園、小学校で制作された『七夕飾り』を、冬になれば地元有志による『クリスマスツリー』がトンネル内部にズラリと並ぶのです。


 そして、このトンネル最深部にあるのは、光の魔術で水滴はするという、珍妙奇天烈な噴水を見ることが出来ます。

 一応、水滴が上に向かって落下するように見せる原理の説明は書いてあります…書いてはありますが、どう見ても上に向かって落下する水滴にしか見えず、頭がこんがらがりそうになります。


 しかし、外輪山の内側にも関わらず、このトンデモナイ水量は何なのか?と思ってしまうのですが、このトンネルの近隣には別の湧水地が存在し、『白川水源』と言われる所です。

 因みに、『白川』という河川は、この水源を機転に、南阿蘇を東から西に流れ、立野を経由し、熊本市中心部を抜け、有明海へ流れていきます。

 そのような水源が近くにあるのですから、そりゃぁトンネル掘れば、水が噴水のように噴き出すわけですな。


 阿蘇は『火山』でもあるので、温泉地も多いのですが、温泉地が多いということは、それだけ湧水も多いというわけです。

 おかげさまで、阿蘇外輪山の内側には多くの水田が開墾されています。

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