ヤンデレ妹

 

第1話

 夜、寝ていると部屋のドアの開く音がした。きっと、妹が寂しくなって俺の部屋に来たんだろう。妹はベッドに潜り込むと、俺の背中に抱きついた。俺は寝返りを打ち妹を抱きしめ返すと、彼女の頭をやさしく撫でた。そして、しばらくすると妹が俺の耳元でこう囁いた。


「お兄ちゃん、私を一人にしないでよ。勝手に死んだりしたら許さないから」


 俺は妹の涙を拭うと、彼女の目をしっかりと見てこう返した。


「お兄ちゃんは加奈を見捨てて自殺なんてしない」


「でも本当に辛くなったら相談してよ。それでもダメな時は、私を殺してから自殺してね」


「ありがとう。加奈のおかげで今日は良い夢が見れそうだ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ヤンデレ妹   @hanashiro_himeka

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ