第15話 「……だいすき」

※場面転換 主人公、リビングのソファーで座って待ってる


//SE ひまりの足音


「ふー。おにいちゃんお待たせ―」


「火傷したところ、痛む?」


(ひまりが主人公の手をとる)


「ん。水ぶくれにはなってないようだし、軽く済んだようでよかった」


「でもあまりに痛みが続いたり異変があったらすぐ病院行ってね!」


「とりあえず、濡れちゃったし新しい包帯巻いてあげる」


「ん? いいよー。これくらい。それに、こんな時くらい甘えてよ」


「自分じゃ利き手に包帯なんて巻けないでしょ?」


//SE 主人公の手に包帯を巻く音


「子供の頃はさー、私が膝擦りむいて、おにいちゃんが包帯巻いてくれたんだよね」


「私はすっごい泣きじゃくってて、おにいちゃんはひたすら痛いの痛いの飛んでいけ―って連呼してくれてて」


「泣きながらも、おにいちゃんがそばにいてくれるの嬉しかったんだ」


「……よーし、巻けた! なかなか上手に巻けたと思わない? へへ」


「じゃーあ」


//SE ポンポンとひまりが自分の膝を両手で叩く音


「ケガしたおにいちゃんを、今日は私が癒してあげる!」


「ほら、私のひざに頭乗せて? 膝枕」


「いつかのお返し。ほーらっ」


//SE ひまりが主人公の身体を倒して膝枕の体勢にした音


「ふふー。どう? 義妹いもうとの膝枕は」


//SE ひまりが主人公の髪を撫でる音


「えー? 恥ずかしい? いいじゃん。幼なじみなんだし。義妹なんだし。家族なんだし。気兼ねするような仲じゃないでしょ?」


「このまま、愚痴でも弱音でも吐き出していいよ?」


「今日は私がおにいちゃんを元気にしてあげたいの」


「このまま力抜いて、リラックスしてね」


//SE 撫でている音


「え? 寝ちゃいそう? いいよ、寝ちゃっても」


「あははっ。よだれとかいびきなんて気にしてるの?」


「おにいちゃんのならいくらでも。むしろそんなにリラックスしてくれるとか、ご褒美でしかない」


「それで? 今日はどうしたの?」


「うんうん。……うん」


「そっか。そんなに忙しくて、……うん。それで焦っちゃったんだね」


「うん。……それにさ、疲れてたのもあると思うよー?」


「うんうん。……人間だもん。そんな時もあるよ」


//SE 撫でる音


「うんうん。えらいよ、おにいちゃんは。いつもがんばってる」


「そんながんばり屋さんのおにいちゃんは」


//演技依頼 目元を優しく撫でる


「今はゆっくり休んで癒されてくださーい」


「はーい、ゆっくり目を閉じて、力抜いて、リラックスしてね」//ゆっくり、癒すように


「もーっと力抜いて。そのまま、ゆーっくり呼吸して」


//SE ゆっくりとした呼吸の音


「だんだん気持ちよくなってきたでしょ」


「そのまま、撫でられてる心地よさだけ感じて、ゆっくり、ふかーく呼吸して」


//SE 優しくゆっくり撫でる音


「………………」


//SE 主人公の穏やかな寝息


「ん。寝た……かな。……ふふふ。相変わらず可愛い寝顔。子供の頃からそのまんま」


「でも……私はあの頃より、ずーっと今の方が大好きだからね、おにいちゃん」


「いつかぜーったい、好きになってもらうんだから」


「でも、そんなの関係なく、明日は何かおにいちゃんの元気が出るもの作ってあげたいな。何作ろうかな」


「ひとまず、今日はこのままゆっくり休んでね、おやすみなさい、おにいちゃん」


「……だいすき」//小声







(完)


――――――――――――――――――――――


次のページはより踏み込んだ内容のボーナストラックです!!

そちらもぜひ、お楽しみください

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