第12話 ひとりきりの時のひまりの独り言

※場面転換 玄関でバイトに行く主人公の見送り 


//SE 靴を履く音など

//SE 玄関の外から漏れ聞こえる車の音など


「おにいちゃん、今日はバイト何時まで?」


「20時? 今日はいつもより長いんだね」

 

「あ、そっかあ。夏休みに入ってお店忙しいんだ。飲食店だもんね」


「ねぇ、そのうちおにいちゃんのバイト先に食べに行ってみたい」


「え、行ってもおにいちゃんが働いてるところ、見れないの?」


「残念過ぎるー。あはは。ん、そろそろ行く? うん」


「いってらっしゃい、おにいちゃん。気を付けてね」


//SE 主人公が玄関から出て行く音

//SE 玄関が締まる音


「……あーあ、行っちゃった。今から私一人きりかぁ」


「お昼ごはんも一人だし、どうしよっかなー」


「あ、そうだ。今度おにいちゃんに作ってあげたい料理でも作ってみよっかなー」


「おにいちゃんがお腹すいた時にパパっと作ってあげられたら、なんかいいよね」


「それで、『ひまりこんな短時間でこんなおいしいもの作れるなんてすごいな。結婚しよう』とか……言われちゃったりして♡」//一人テンション


「……そうと決まったら、何作ろうかなー。パパっと作ると言えば、チャーハン? オムライスもいいよね。ケチャップでハートを描いたりして!!」



「……おにいちゃんは、ケチャップをハートにしたら喜んでくれたりするのかなぁ。でもそういうのって、好きな人にされるから嬉しいのかなあ」


「おにいちゃんは私のことどう思ってるんだろう。少しくらい、好きって思ってくれてたらいいのにな」


「好きな人と一緒に暮らせて嬉しいけど、私の片思いなのかなーって思うと、ちょっとだけ寂しい」



//SE 首をブンブンと振る音


「もう! 私ったら! 何弱気になってるの。抱き着いても嫌がられてる感じはないし、少なくとも嫌われてはないと思うんだよね」


「だから後は、がんばるのみ!」


「弱音吐いてないで、おいしいオムライス作る練習はじめるぞー!!」


「まずは、玉ねぎを用意して……みじん切り」


//SE たまねぎを出してみじん切りをする音


「う、目に染みる―!! でも、おいしいお料理作ってあげられるようになるため! がまんがまん!!」


//SE みじん切りを続ける音(だんだんフェードアウト)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る