第11話 「私のファーストキスはおにいちゃんなんだけどな」

※場面転換 朝


//SE ドアの外からかすかにひまりの足音

//SE ドアをノックする音


「おにーいちゃん、おはよー!」


「あれぇ。返事がない。もう、相変わらずお寝坊なんだから」


「おにいちゃん、入るよー?」


//SE ひまりがドアを開けて入って来る音

//SE ひまりが近づいて来る音


//SE ゆっくりカーテンを開ける音


「ふふ。やっぱりおにいちゃんまだ寝てるー」


「……可愛い寝顔。寝顔は子供の頃のまんまなんだよなぁ」


「……子供の頃のキスがカウント出来るなら、私のファーストキスはおにいちゃんなんだけどな」


「覚えてるのかなぁ、おにいちゃんは」


「私はそれ以来まだ誰ともしてないけど、おにいちゃんはどうなんだろう……」


//SE 主人公が寝返りを打つ音 以降主人公は背中を向けた状態


「……あれ? おにいちゃん、起きてるの? 起きてるよね?」//後ろ側から


「耳、赤くなってるよ?」


//演技依頼 頬をツンツンとする


「ねぇ、ねぇねぇねぇ、照れてるのー??」


「可愛い」


「ねぇ、こっち向いてよおー」


//SE 主人公恥ずかしくなってバサッと布団から出る音

//SE 主人公がドアに向かって歩いて行く音


「あー!! ちょっと、もう!! また置いて行こうとするんだからっ」


「せっかく起しに来てあげたのにー」


「ね、朝ごはん、一緒に食べよ?」


「今日のお味噌汁はねぇ、玉ねぎと卵のお味噌汁だよ」


「あとね、卵焼きも作ったの! あ、卵メニュー被っちゃった。許してっ」//愛嬌のある感じで


 

※場面転換 1階のダイニングテーブル


「じゃあ、早速、食べよ食べよっ」


//SE 手を合わせる音


「いただきますっ!」


//SE 食器の音


「あれ? おにいちゃん、今もきゅうり嫌いなの?」


「子供の頃から変わってないなぁ」


「え? 俺はカブトムシじゃない?」


「カブトムシってきゅうり食べるんだっけ」


「……しらんって、もおー無責任ー」


「私がテストでカブトムシはきゅうり食べますって書いてバツされたら、責任取ってね?」


「えーそんなの自己責任って、もう、都合のいい時だけ自己責任とか言うんだから」


「気になってきちゃった。調べてみよーっと」


「えーっと、なになに?」


//SE スマホのフリック音


「『カブトムシはきゅうりを食べますが、与えない方がいいでしょう』だって!!」


「えー食べるのに上げない方がいいなんて、びっくりだよ」


//SE スマホのフリック音


「あれ? 今日雨降るんだ」


「おにいちゃん今日バイトだよね? ちゃんと傘持って行ってね」

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