第3話 「『あーん』して欲しいな」
//SE 食事を食卓に並べる音
//SE お茶を注ぐ音
//SE 仕上げっぽくお箸を置く音
「よーし、用意出来たっ!! ね、食べよ食べよっ」
「おにいちゃんと朝ごはん一緒に食べられるなんて幸せだなー」
「いつもなら、私は今日よりもっと朝早くに食べて高校行っちゃうし、大学生のおにいちゃんとは朝会わない方が多いもんね。夏休み様様だよー。へへっ」
//SE パンっと手を合わせる音
「じゃあ! 『いただきます』しよっ」
「へへへ。……いただきますっ!」
//SE カチャカチャとした食器などの音
「え? この左手の絆創膏? ……あぁ、えっと……。……ジャガイモの皮剥いてる時に……ちょこーっと、切っちゃった」//恥ずかしそうに
「あぁっ。もう! だからインスタントでよかったのにとか言わないでよ。まだ不慣れなのは確かだけど! 頑張って作ったんだから。……ここは、『ひまり頑張ったな。美味しいぞ』って、褒めて欲しいな」//不安そうな上目遣い
(ぶっきら棒に褒められる)
「え、へっへへへぇ。(照れ笑い)褒めてくれて嬉しい。もっとお料理うまくなって、結婚したら毎日、おにいちゃんにジャガイモとわかめのお味噌汁作ってあげる! ……だから……結婚、しよ?」//前半は勢いよく、後半は伺うように
「え? 遠慮します? ……そっか、ジャガイモとわかめじゃないお味噌汁も食べたいってことかな!? うんうん、レパートリー増やしとくね、おにーいちゃん♡」
//演技依頼 顔に近づいて指先で頬に触れる
「あ、おにいちゃん、口元にご飯粒ついてるー」//顔の近くで
「へへ、子供の頃はさ? おにいちゃんって完璧で優しくてかっこいいイメージだったけど、こうして一緒に暮らしてみたら意外と朝寝坊してたり寝ぐせついてたりご飯粒ついてたり、完璧でかっこいいわけじゃない部分も見られて、なんか嬉しい」
「えー? そのうち現実見て冷める? そうかなぁ。子供の頃からずーっと好きなのに。そんな事考えられないけどな。現に今のところ、好きしかないよ?」
//SE 咀嚼音や食器の音
「あ、おにいちゃん、あーん、してあげよっか」
「え? また遠慮する? もおー。遠慮なんてしなくていいのになぁー?」
「じゃあさ、じゃあさ、私にしてよ、“あーん”」
「だめ?」
「えー。頑張って朝ごはん作ったのになーあ? 可愛い
(観念してわかったよと言われる)
「へへっ。そうやって許容してくれるところも、だーいすきっ」
「じゃあ、早速、してして、あーん♡」
//演技依頼 顔を近づけて口を開ける
//わずかに感じる空気感
//SE 咀嚼音
「へっへへ。おいひぃ♡」
「あ、そうだ、おにいちゃん。今日バイトないんだよね? もし時間あったら宿題教えて欲しいな」
「夏休みの宿題でね、分かんないところあるんだー。二次関数、ニガテなんだよね、おにいちゃん数学得意だったよね!?」
「へへ。ありがとう。後でおにいちゃんの部屋行くねっ♡」
「え、部屋はダメ? せっかくおにいちゃんの部屋で二人っきりになれると思ったのに」//残念そうに
「じゃあさ、じゃあさ、私の部屋は!?」
「えーそれもダメなの? 『間違いがあったらどうするんだ』!?」
「……別にいいのになぁ、間違いがあっても。おにいちゃんなら、私のはじめていくらでもあげるのに」//呟くように
「んー。リビングかぁ。まぁ、リビングでも二人っきりなことには変わりないもんねっ。へへ。よろしくお願いしまーっす」//元気よく
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