第2話

罪を犯したからといって日常が崩れたわけじゃない。

だって、あそこの世界と私の世界は全く別のものだったから。

私があそこの世界で何をしたって、この世界の人にはバレない。

悪いことだってわかってる。

でも、私は居場所を求める為にここでを演じることしか出来なかった。

本当に、ごめんなさい。


あの人は、あそこの世界でも、自分の世界でも多分人気者で。

辛そうな様子なんてなくて。

いつも、笑ってて。

――羨ましかったんだ、ずっと、ずっと。

だから、私はあなたを嫌った。

拒んだ。

1回、1回。それだけ。

それだけで。

私の人生、終わったんだ。


そんなこと、あなたは知らないだろう。

もしかしたら、頭のいいあなたは知っていたのかもしれないけれど。

あんなことをしたら、私は嫌われて。

ただでさえあまりない私の場所が消えて。

私が、「死」に近づくということを。

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