第2話
罪を犯したからといって日常が崩れたわけじゃない。
だって、あそこの世界と私の世界は全く別のものだったから。
私があそこの世界で何をしたって、この世界の人にはバレない。
悪いことだってわかってる。
でも、私は居場所を求める為にここで良い子を演じることしか出来なかった。
本当に、ごめんなさい。
あの人は、あそこの世界でも、自分の世界でも多分人気者で。
辛そうな様子なんてなくて。
いつも、笑ってて。
――羨ましかったんだ、ずっと、ずっと。
だから、私はあなたを嫌った。
拒んだ。
1回、1回。それだけ。
それだけで。
私の人生、終わったんだ。
そんなこと、あなたは知らないだろう。
もしかしたら、頭のいいあなたは知っていたのかもしれないけれど。
あんなことをしたら、私は嫌われて。
ただでさえあまりない私の場所が消えて。
私が、「死」に近づくということを。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます