第3話

あなたの場所が消えたら、あなたはどうなる?

自分の場所をただただ求める?

受け入れられず、呆然とする?

それとも――死ぬ?

私が選んだのは、精神的な「死」だった。

というか、それしか選択肢がなかった。

ショックが大きくて。

なんにも考えられなくて。

周囲の音がなんにも聞こえなかった。

額を触ると、いつもより熱が上がっているように感じた。

でも、別に辛いと思わなかった。

どうにでもなれって思った。

呼吸が荒かった。

もう、死にたいって思った。

でも、無理だった。

自分の日常を変えるのが怖かった。

まだ、やりたいこと何にもやれてないのに、あなたのせいで人生を終わらせたくなかった。

悔いを残したくなかった。

だから、私はまだ今を生きている。

――でも、もう限界だよ。

視線が怖い。

全てが私に「消えてよ」って言ってる。

話すのが怖い。

全ての言葉に裏があるように感じる。

もう、いや。

死にたいよ。

ねぇ、誰か。

「消えて」って言うなら、私を殺して。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る