第1話

咄嗟に、この想いを人に伝えたくなった。

だから、私はこの物語を紡ぐ。

溢れ出んばかりのこの気持ちを。

愛情を。友情を。感謝を。謝罪を。

あの人に、伝えるために。

これは、ある人に向けた感謝の――そして謝罪の手紙。


私は、あの人のおかげで強くなれた。

何事にも、耐えられた。

表面上はきつく当たってしまっていた。

でも、私はあの人のことをとっても大事に思っていたんだ。

誰よりも、何よりも。

でも、それは心の奥底だけだった。

行動に表すことが出来なかった。

今、謝ったって許されるとは思ってない。

もう、死んだって許されないと思ってる。

一生、私にはあのが付き纏うんだ。

どれだけ払っても取れない、黒いモヤのように。

私の心に、深い傷を残している。

もう、あれは一生消えない私の古傷だ。

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