小久保さんと柊の魚釣りゲーム
6月9日
次の日、朝起きてからランニングをした。
寮の近くで走っていると、前村さんから電話がかかってきた。
「柊君、今日スタメンで出るの?私、チケット買ってきたよ」前村さんが言った。
「うん、昨日スタメンで出たから今日出るかもしれないと思って連絡した」僕が言った。
「柊君、もうスタメンででたんだ、。すごい」
「一昨日に満塁ホームランを打って、それで期待されてスタメンになったんだ
ベテランの常田さんを差し押さえてのスタメンだからプレッシャーだよ」
僕が言った。
「その満塁ホームランなら私みたよ。柊君が1軍に上がったって聞いたから
テレビで野球のニュースをみたら、柊君が映ってホームラン打っちゃうんだもん。
びっくりしたよ」前村さんが言った。
「本当にあの時、自然にバットがでたんだよ。そっか1軍はテレビで試合結果報道されるんだった」僕が言った。
「今日応援に行くから、頑張ってね」前村さんが言った。
その後、昼ごはんを食べてから
1時30分開始のウォーミングアップに間に合わせるように
寮を出てスタジアムにいく
スタジアムにつくと
橋本さんがいた。
「おはようございます」僕は挨拶をする。
「おはよう」橋本さんがいう。
「昨日は福岡チーターズに負けたから、今日は勝つ」橋本さんが言った。
「今日の横浜ゴールデンウルフズの先発は雨宮さんか」僕が言った。
「2勝1敗で勝ち越しで終えたいな」橋本さんが言った。
「そういえば、昨日もらったチョコのお礼に、お菓子あげます」
僕は言って、橋本さんにお菓子をあげた。
「ありがとう」橋本さんが言って喜んでいた。
1時30分になって野手陣が集まって
ウォーミングアップを始める。
その後、個別で体を動かして練習をする。
2時30分になり、守備練習をする。
僕の前には、ショートの常田さんがいる。
シートノックが開始されて、ショートの常田さんが
ボールを取って1塁に投げる。
滑らかな動きだった。
今度は、僕がノックを受ける。
ボールが真正面に飛んできたが少しイレギュラーをした
僕は体にボールを当てて、体の前でボールを落とした後
1塁に投げた。
山岡さんもショートの守備練習にいて
僕の後に続いた。
練習が終わって、休憩に入る。
ショートの常田さんが話かけてきた。
「柊くん、守備もうまいんだ」常田さんが言う。
「常田さんから見て、僕の守備はどうですか」僕が言った。
「ボールの予測判断がうまいと思う。後は肩が強い。」
「ショートで大事なことってなんですか」
「できるだけ、広範囲を守ることかな。ショートは打球がよく
飛びやすいから。ショートの守備範囲が広くなれば
それだけ、アウトの数が増える」常田さんが言った。
「なるほど」僕が言った。
「けど、守備範囲を広くしようと思うと深めに守らないといけないから
浅いゴロが来た時は内野安打になってしまう」
「さじ加減が必要というわけですね」
「そういうこと」
僕は常田さんにお礼を行って
荷物置き場の場所に行って水を飲んだ。
3時10分ごろから
フリーバッティングが始まった。
巧打タイプの選手でも外野席に軽々とボールを運ぶ。
4番の高見さんは外野スタンドの中段あたりに何発もボールが飛ぶ。
プロ野球の1軍選手の打撃練習は1種のショーである。
スタメンに出る人たちが次々と打っていき
僕の番になった。
最初は軽めにゴロを転がした後
バットの芯に当ててセンター方向に打つ。
フェンス直撃となって外野席にはいかなかった。
それから、しっかりと飛ばして外野席に何発も放った。
自分のフォームを確認することも忘れない。
フリーバッティングが終わって
相手側の福岡チーターズの練習時間に入る。
僕は控室で休憩をしていた。
ここまで、1軍の成績が10打数5安打と
打率5割を超えている。
まだ、打席数が少ないから打率が高くなっているのだが
昨日はしっかり1安打を打ったので
今日も高望みはせずに1安打を打つことを目標にしようと思った。
1軍はレベルが高い。
まず、2軍に比べて1軍の方が球速が速い。
最低でも3つの球種で安定してストライクに投げれる。
ウイニングショットがしっかりある。
2軍で3割台を残せていたとしても、
1軍に行けば、2割台になっていることがある。
僕は、とりあえず、1軍の環境に慣れて、
打撃でそこそこ打って守備を頑張るという方針だ。
常田さんに、守備のことについて聞けるし、
1軍でしっかり色々なことを吸収していきたいと思った。
控室に小久保さんがきた。
「おう、柊。魚ゲームしようぜ」小久保さんが言った。
「また、魚ゲームですか。いいですけど」僕が言った。
「明日、魚釣り行くことを忘れるなよ」
「もちろんです」
「佐伯が今、ちょっとしたいたずらをしているんだ。」
「それはどういうことですか」
「なんか、バッグの中に消火器を入れていたんだ」
「それはすごいですね。持ち上げるとき重くて持ち上がらないんじゃないですか」
「それも、松田さんのバッグの中に」
「あの怖そうな松田さんにいたずらしたんですか」
「佐伯は、怒られても大丈夫と思ったんだろう、それよりも
魚釣りをしよう」小久保さんが言った。
魚釣りゲームをスタートした。
スマホのアプリのゲームである。
僕は前回と違って、1発大きい魚を狙って一気に逆転することを狙った。
小久保さんは、ポイントがまあまあ稼げるタコやイカを狙っていた。
30秒を経過したとき、小久保さんがタコとイカをそれぞれ1匹ずつゲットをしていて
40ポイント入っていた。
僕はまだ、釣れていない。
マグロやカジキを狙っている。
竿を揺らして食いついてきても糸が切れたりして逃がしてしまう。
60秒が経過したとき、小久保さんはタコを5匹も釣りあげていた。
これで、140ポイントとなる。
ゲーム終了まで後、1分
マグロが120ポイントでカジキが150ポイントなので
カジキを狙う。
カジキがいる方向に糸をたらして待っていると
食いついてきた。僕は指を回して
カジキを釣りあげようとする。
しかし、カジキは逃げ回ってなかなかリールが巻けない。
1分30秒が経過したとき
ようやくカジキを釣りあげることができた。
これで、150ポイントをゲットした。
しかし、小久保さんがイカを3匹釣りあげていて
200ポイント対150ポイントで
まけている。
70ポイントのクロタイに狙いを定めて
竿をたらす。
しかし、違う魚が食いついてきた
シュモクザメである。
100ポイントなので、この魚を釣れたら勝利に
近づけると思い必死にスマホの画面に指をおいて
指を回す。
釣り竿のリールを巻いて、シュモクザメをゲットすることができた。
これで、これで100ポイントもらったので
合計250ポイントになった。
これは勝っただろうと思い相手のスコアを見ると
なんと、350ポイントになっていた。
ゲームの残り時間は後、5秒残っていたが
釣り糸をたらしても何もとれないで
試合は終了した。
結果は、250ポイント対350ポイントで
小久保さんの勝利となった。
「小久保さん最後、何を釣ったんですか」僕は聞いた。
「最後にでかいのをと思ってカジキを釣った」
「まじですか。こっちはシュモクザメで100ポイントもらったのに
いつの間にか離されていたからびっくりしましたよ」僕が言った。
「釣りゲームは俺の勝ちということで、明日の本当の釣りも楽しみだな」
「そうですね。海をながめてたいです」
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