55話

7回裏、ノーアウトランナー無しで

僕に打席が回ってきた。

ピッチャーはリリーフの島倉 右投げ

初球、大きく高めに外れてボール

島倉の球速は140キロ後半である。

2球目、アウトローにスライダーを投げてきた

僕は見逃した

ストライクとなって

1ボール1ストライク

インコースに来たボールだけ反応するようにした。

アウトコースに来たボールは捨てに行く

3球目、アウトローにストレート148kmが来た

見逃してストライクとなる。

1ボール2ストライクなので

ストライクゾーンに来たボールを打つ。

特にストレートが来たらいいなと思いながら

バットを持って構えた。

4球目、真ん中低めのストレートを

フルスイングした。

打球は、センター後方に上がって、センターは後に下がるが取れない。

僕は1塁を蹴って2塁に向かった。

センターがボールを拾って、ショートが中継にいく。

2塁ベースに到達して、2ベースヒットとなった。


これで今日、3打数1安打。


その後、黒岡さんがヒットを打って、

僕はホームに帰ってきて1点入った。

4対4となる。


8回表の攻撃

1アウト満塁のピンチが訪れた。

僕はショートを守っている

1番星野からの打順

星野が右打席にたつ。

僕は、ゲッツ狙いでセカンドベースよりにいる。

ピッチャーは、中継ぎの柳川

初球、145kmのインコースのストレートを

星野が打った。打球は三遊間を抜けてレフト前ヒット

3塁ランナーがホームに帰り

2塁ランナーもホームに帰ろうとするが

3塁コーチに止められて、行くのをやめた。

1点が入り、

5対4とリードを許す。

あの打球は、定位置でも取れなかったなと思った。


2番足立

左打席に入る。

ボール球が2球つづいて

2ボールとなり

3球目、柳川がアウトコースにシンカーを投げる。

バッターの足立が芯でボールをとらえる。

打球は左中間に転がった。

センターがフェンス際に行ったボールをとりにいく

3塁ランナーがホームに帰ってきて

2塁ランナーも3塁ベースを蹴ってホームに向かう。

僕が中継に入り、センターからの送球を取る。

2塁ランナーはすでにホームに帰ってきていて

1塁ランナーがちょうど、3塁ベースを蹴って3分の1ぐらいを進んだ所にいた。

僕はホームに全力で投げる。

キャッチャーの黒岡さんがボールを取って、向かってきた走者にタッチをした

判定はアウトとなって

2アウトランナー2塁となる。

しかし、2点が入って

7対4と離された。


その後、3番川村がファーストゴロに倒れて、

3アウトチェンジ

この回、福岡チーターズに3点を入れられた。



9回裏、1アウトランナー無しで

打席が回ってきた。

スコアは7対4で横浜ゴールデンウルフズが負けている。

抑えは伊達

昨日、松田にサヨナラホームランを打たれた投手である。

初球、ストレート151kmをインコースに投げてきた

僕は、打ちに行ったが空振りでストライク

2球目、フォークボールを見逃してボール

1ボール1ストライクとなる。

変化球のスライダーに狙いを定める。


3球目、アウトローにフォークが投げられる

ぼくは見逃してストライクと判定される

1ボール2ストライクとなった。

こうなったら、ストライクのボールをカットして

スライダーを待つ。

4球目、高めのボール球のストレートに手が出てしまって

ハーフスイングをした後、バットをとめる。

審判はボールと宣告するが

キャッチャーの小松崎さんが1塁審判に指をさす。

1塁審判がアウトのジェシュチャーをして、

空振り三振となった。


僕はなんで振ってしまったんだろうと後悔した。

ベンチに戻ると

「柊、あの球はつり球だから打てないよ。」安藤が言った。

「打てると思って、振ってしまった」僕が言った。

「9回2アウトだからね。つぎ、8番黒岡さんだよ」安藤が言った。

「いや、今日の打席はあまり打てなかったな」僕が言った。


8番の黒岡さんが三振して

試合終了となった。

7対4で福岡チーターズの勝利

僕たち横浜ゴールデンウルフズの選手は

球場の建物の中に入っていった。

ロッカーで荷物を片づけていると控えの川波さんが来た。

「柊、初めてのスタメンはどうだった」川波さんが言う。

「スタメンになると、打席が多い分チャンスはありますけど

毎回打てるものではないですね」僕が言った。

「そうなんだよ。スタメンで出る場合って5打席たっても

無安打の時もあるからな」川波さんが言った。

「けど、スタメンに僕が入れているってことは

打撃コーチの横塚さんだったり、1軍監督に認められているって

ことだから、このチャンス活かします。」僕が言った。

「まあ、柊の場合は確かに昨日の満塁ホームランで

打撃に期待してスタメン入りをしたのかもしれないけど、

ショートはやっぱり守備だよ。

柊の守備が安定しているから、ショートをまかしたのかもね」

「守備は最近意識してやってます。

1軍に上がるときに1軍守備走塁コーチの倉野さんに言われたのが

守備だったので」僕が言った。


川波さんが着替えに行った後、

僕はシャワーを浴びに行った。

今日の自分の成績は、4打数1安打

まあまあである。


ここまでの1軍の成績

10打数 5安打 1本 5打点


代打での出場でしっかり打っていたので

成績が良くなっている。


汗を水で流した後

寮に帰る準備をした。

「おう、柊帰るのか」横浜ゴールデンウルフズでは

3番の橋本が声をかける

「はい、寮暮らしなので」僕が言う。

「お菓子あげるよ」橋本さんが言って僕はチョコをもらった。


寮に戻ると、鈴村が待っていた。

「おう、1軍選手は大変だな。もう11時だぜ」鈴村が言った。

「いや、最近寝るのもおそくなって来たからね。朝早く起きなくてすむよ」

「本当に怪我しないように注意しろよ。一番大事な時期だから」

「うん。わかってる」僕は答えた。

「それにしても、最近の横浜ゴールデンウルフズは勝ったり負けたりしているな。」

鈴村が言った。

「昨日は、サヨナラホームランで歓喜していたけど。今日は意外とあっさり負けたからね」

「野球って1試合1試合で変わるもんな。」鈴村が言った。

「交流戦も終盤に差し掛かってるし、中位ぐらいで終えたいな」僕が言った。

「いま、住田と倉田とで格闘ゲームしてるんだけど、柊もやる」

「できたとしても1時間だけど。ちゃんと寝ないといけないからね」

「1時間でも十分だ」

僕は鈴村の部屋にいくと

同期の倉田と住田がいた。

どうやら、2人で対戦しているらしくて

倉田が住田をぼっこぼこにしていた。

倉田のキャラクターが住田のキャラクターを投げて、吹っ飛んでいった。

どうやら、落ちると死ぬらしくて、住田のキャラクターが懸命に地面のある場所に

向かおうとするが落ちていった。

「こういうゲームなんだけど。大〇乱スマッシュゲームおもしろいだろ」

「うん、たしかに人気のゲームだね」僕は言った。

「柊、俺と対戦しよう」

僕と鈴村が対戦した。

僕は、ぼっこぼこにやられてストックが減っていき

鈴村はまだ1回しか死んでいない。

残り1のストックになって

僕は逃げ腰になりながら鈴村のキャラクターと戦うが

最後には、鈴村のカウンターをくらって

場外に飛んで行って負けた。


「いや、やっぱりゲームって面白いよな、柊はまだまだだな」鈴村が言った。

「ゲームで勝ったとしても、現実の野球では負けないよ」僕は言った。

「それ、1軍にいる選手が言うか。反則だよ」鈴村が言った。

「ごめんごめん」ぼくがいう。

「今日は、鈴村がマルチ安打打ってたよ」倉田が言った。

「おお、すごいじゃん」僕は言う。

「住田と倉田も来週バッテリー組むらしい」鈴村が言った。

「やっとか、これで同期はいちおう2軍の試合に全員でたことになるな」

「そうだね」鈴村が言った。

1時間ぐらい話してから部屋に戻った。

前村さんにラインで明日、スタメンで出るかもしれないとラインを送っといた。

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