51話
次の日、
福岡チーターズの試合。
横浜ゴールデンウルフズのスタメンは
1番 佐伯 センター
2番 小久保 セカンド
3番 橋本 サード
4番 高見 レフト
5番 松田 ファースト
6番 長妻 ライト
7番 常田 ショート
8番 黒岡 キャッチャー
9番 恩田 ピッチャー
福岡チーターズのスタメン
1番 星野 セカンド
2番 足立 サード
3番 川村 ショート
4番 秋元 ライト
5番 森野 センター
6番 近岡 レフト
7番 小松崎 キャッチャー
8番 新堂 ファースト
9番 池崎 ピッチャー
試合前、20分前になった。
室内練習場で素振りをしていると
小久保さんが来た。
「そういえば、こないだの魚ゲームまたやらないか」小久保さんが言った。
「試合前ですよ。ゲームやる気分じゃないです」僕が言った。
「じゃあ、今度の月曜日釣りでも行かないか」小久保さんが言った。
「まあ、それならいいですけど」僕が言う。
「最近、釣りをしてなかったからな。釣りって面白いんだ。
まったく釣れないときは釣れない。1匹でも釣れると結構うれしいんだ」小久保さんが言った。
「イワシ10匹取りましょう。」僕が言った。
「釣りっていうのは我慢しないといけないからな。野球と同じじゃないか
野球っていうのは、我慢して我慢してボールを待って打つだろ。
3打席三振だったとしても次の4打席目でホームランを打てば
ヒーローになるだろ。」小久保さんが言った。
「いや、釣りを野球に例えないでくださいよ。
けど、確かにまったく釣れなかった場合っていうのは
ヒット1本もない日ってことですね」僕が言った。
「そういうこと」
「最近、野球ばっかりで少し違うことしてみたいと思ってたので
誘ってくれてありがとうございます。」
僕が言った。
「今度、競馬とかいかないか。最近、いい馬がいるって聞いてね」
「競馬ですか、はまったら無駄な金がなくなるんであんまり行きたくないですけど」
「掛け金を少なくすればいいんだよ。1万円までしか使わないとか」
「うーん、それなら馬主になって自分の馬が走ってくれる方がうれしいですけど」僕が言った。
「まあ、今度の月曜日に釣りってことで忘れるなよ」小久保さんが言った。
「了解です」僕が言った。
試合が始まって
1回表がスタートする。
僕は球場の建物の控室で
バットを振っていた。
控え選手なので、僕はベンチではなくて
控室にいた。
1回表の
福岡チーターズの攻撃から始まった。
テレビがあったので観戦することにした。
1回表は、恩田が3者凡退で0点に抑えた。
「1回裏横浜ゴールデンウルフズの攻撃、先頭バッターは1番佐伯 オリックス戦第1戦では満塁ホームランを打ちました。
佐伯が左打席に立つ。
ピッチャーは池崎。ストレートはmax148kmを投げます。」
アナウンサーの松隈が言った。
初球、池崎が大きく外してボールとなった。
2球目、スライダーを打ってショートライナー
ショートがキャッチしてアウト
「佐伯はショートライナーで1アウトです。
ピッチャーの池崎が立ち上がりをしっかり抑えました。」アナウンサーの松隈が言う。
「まだ序盤ですからね。しっかり抑えてもらいたいですね」解説の富島が言った。
1アウトで2番小久保
左打席に入る。
ピッチャーの池崎が初球を投げた。
アウトローのスライダーに手が出ずストライク
そこから、3ボール1ストライクとボールが先行して
5球目、インローのフォークボールを打った。
打球はライトに高々と上がってホームランになった。
「小久保が打った。打球は高々と上がってライトスタンドに入りました
横浜ゴールデンウルフズ先制のホームランです。」アナウンサーの松隈が言った。
「やりましたね。2球立て続けにアウトコースにボールとなって
3ボール1ストライク。バッターに有利なカウントで
小久保選手はインコースに狙いを定めてたんじゃないかと思います」解説の富島が言った。
「その狙いがはまったということですね」
「そういうことです。」
「2番小久保のホームランとなり、1対0と横浜ゴールデンウルフズがリードしています」
アナウンサーの富島が言った。
テレビ越しに見ていた僕は
小久保さんがホームランを打つなんて、やるなと思った。
インローのフォークボールはピッチャーはいいところに決まったと思っただろう
そこは、小久保さんは上手くバットをすくい上げてホームラン
解説の富島さんが言ったとおり、狙ってないと打てないと思った。
1回が終わって
1対0で横浜ゴールデンウルフズがリードしている。
2回表、福岡チーターズの攻撃
4番秋元からの打順
恩田がマウンドに上がる。
恩田は左投手である。
初球、インハイのツーシームを投げた。
バッターの秋元は見逃した148kmと掲示板に出る。
2球目、ストレートをアウトハイに投げる。
バッターの秋元は打ちに行って、打球は
左中間に行った。レフトの高見が追いかけて取った。
1アウトとなる。
「4番バッター秋元の打った打球は左中間の伸びる
しかし、深く守っていたレフトの高見がとって
1アウト」アナウンサーの松隈が言った。
「いや、いい当たりだったんですけどね。
すこし、ボール球でしたのでその分伸びなかったですね」
富島が言った。
この回は3者凡退に終わる
その後、福岡チーターズが恩田を攻略して、3から5回にかけて2点ずつ取って
6対1
恩田が5回6失点で、降板
その後、リリーフの早坂が登板して5回を抑えた。
現在、5回裏の攻撃
僕は、控室でバットを振っていたが少し疲れていたので休んだ。
テレビの解説は、横浜のテレビなので、横浜ゴールデンウルフズ寄りだが、見ていておもしろい。
僕はテレビを見ていた。
「現在、6対1で福岡チーターズがリードしています。
3回表から恩田選手の投球が乱れてきて、四球が増えてきました。」アナウンサーの松隈さんが言った。
「そうなんですよね、恩田さんの立ち上がりは悪くなかったんですが、
ストレートがことごとくボールになって、投げる球が変化球しかなかったのが原因でしょう」解説の富島が言った。
「ストレートが入らなくなる原因はなんだと思いますか」アナウンサーの松隈が聞いた。
「腕の振りが縮こまっていたり、リリースポイントが低くなってたりするからなのかと思います。」富島が言った。
「5回に降板するまでに、フォアボールは5つ出ています。」松隈が言った。
「これは、多いですよ。1イニング1個ですから、それが、3回から5回までのフォアボールの数なんで、そりゃ失点しますよ」富島が言った。
「5回裏の横浜ゴールデンウルフズの攻撃、2番小久保からです。」
「小久保は、ここ最近、調子が上がって1軍定着してるからね。
1打席目、ホームランを打ったでしょ。あれが好調の証ですよ
あのインローのフォークボールをホームランにしてしまうんですから」
池崎がマウンドに立った。
小久保が左打席に立つ。
1球目、フォークボールを小久保は見逃してボール
そこから、ボールが先行して
3ボール0ストライクとなる。
4球目アウトローのストレートを小久保はセンター前に弾き返した。
センター前ヒットでノーアウト1塁となる。
「2番小久保選手が打った打球がセンター前に落ちました。
センター前ヒットです。」松隈が言った。
「小久保選手すごいですよ。3ボール0ストライクだったら
フォアボールが欲しくて、普通1球見るんですが
なんの躊躇もなくバットを振り切りました。」解説の富島が言った。
「ノーアウトランナー1塁でバッターは3番橋本です。」
「橋本も今季調子が良くて、4番に回すために自分の役割をちゃんとしてますよね」
富島が言った。
「今季、橋本選手の成績252打数72
安打 .285
全試合出場しています」松隈が言った。
「全試合ですか、それはすごいですね。.285もあったら投手は嫌でしょうね」
3番橋本が左打席に入る。
ピッチャーの池崎が一度、1塁にけん制球を投げる
1塁ランナーの小久保は余裕を持って戻ってセーフ
初球、インコースにストレートを投げる。
橋本は豪快にスイングした。
「橋本が打った。ライトに打球が伸びていく、ライトの秋元は下がっていく。
打球はフェンスに直撃してボールが転がる。
バッターは1塁ベースを蹴って2塁にいきました。
2ベースヒットでノーアウト2,3塁となりました。」アナウンサーの松隈が言った。
「池崎が打たれてきましたね」富島が言った。
「次のバッターは4番高見です」
福岡チーターズはタイムをとって
間を取った。
「福岡チーターズタイムを取りました。」アナウンサーの松隈が言った。
「ここは、タイム取るべき所ですね」富島が言う。
「次のバッターは4番高見というところですが、相手はどうしますでしょか」
「4番の高見に勝負をするのは、分が悪いでしょう。ここは敬遠です。」
「4番高見の今季の成績は、214打数65安打 303」
「打率3割を超えてますからね。ホームランも11本打っています。」松隈が言った。
「今年も、ホームラン30本に届くかもしれませんね」富島が言った。
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