50話 小久保と中条
8回表、
僕は守備要員で常田さんと交代した。
ショートの守備に入る。
横浜ゴールデンウルフズのピッチャーは柳川さん。
2連打を浴びて
ノーアウト1,2塁で
1番 バッター黒瀬
左打席に入る。
先ほどショートゴロでセーフになった黒瀬
初球、真ん中のストレートを左中間に飛ばした。
フェンスに直撃して、レフトの高見さんが打球を処理して
中継のショートの僕に投げる
2塁ランナーはホームに帰っていて
打ったバッターは2塁ベースに到達していて
タイムリー2ベースヒットとなった。
1点を取られて
2対0となる
なおも、ノーアウト2,3塁で
2番青島
右バッターボックスに立つ。
初球、アウトハイのまっすぐを見逃してボール
2球目、インローのまっすぐを見逃してストライク
1ボール1ストライク
3球目、アウトハイのシンカーを青島は身体を開かずに
バットを持つ腕と上半身を先に動かしてヘッドを遅れせて押しだして打った。
打球は高く上がって、放物線を描いて
ライトスタンドに入った。
3ランホームラン
5対0となった。
柳川は悔しい表情をした。
これは、まずいと思ったのかキャッチーの黒岡がタイムを取って
ピッチャーの柳川のもとに行った
長々と話した後、柳川はうなずいた。
ノーアウトランナー無しで
3番岩谷
右打席に入った。
3ボール2ストライクとフルカウントになり
6球目フォークボールを空振りした。
これで1アウト
1アウトランナー無しとなり
4番 鳥越が
左打席に入る。
初球、アウトローの145kmのストレートを
センター方向に打った。
打球はライナー性
僕はあらかじめ、ショートでセンター寄りに守っていたので
取れると思い横っ飛びする。
グラブを伸ばしてボールを取った。
ファインプレーでアウトにした。
観客が歓声をあげた。
2アウトになった。
5番藤城さんを空振りに抑えて
3アウトチェンジ
オリックス・バイソンズは8回表に4点を取って
現在、5対0となっている。
8回裏
1アウト1,2塁で
チャンスが回ってきた
僕はヘルメットを被って
右打席に入る。
ピッチャーは藤木
初球、アウトロー145kmを見逃してボール
僕は、アウトローから責めてきたなと思った。
藤木は、スプリットとスライダーを持っている
2球目、インコースにスライダーが来た。
僕は体にボールが当たると思いよけた。
これがストライクとなり
1ボール1ストライクとなった。
スライダーのキレがいいみたいだ。
インコースで腰が引けたのを見て
3球目は、アウトコースにストレートを投げるだろうと思い
山を張る。
3球目、アウトコースのストレートを体を開かずに、ヘッドを遅れて出して
バットがボールに当たる時に、グリップをしっかり握って打った。
打球は1,2塁間を転がる。
セカンドの岩谷が追ったが、ゲッツシフトを敷いていたため
2塁ベース寄りで守備を守っていたので取れなかった。
2塁ランナーの高見さんは3塁で止まって
1アウト満塁となった。
8番黒岡が右打席に入った。
ピッチャーは変わらず藤木
初球、ど真ん中のスプリットを投げた。
黒岡は芯でとらえた。
打球はライナーで3塁方向に行く。
サードが頭の少し上にグラブを出す。
ボールはグラブの中に入り
サードライナーとなった。
3塁ランナーの高見さんは急いで戻った
サードの鳥越さんがベースを踏むがセーフ。
2アウト満塁で
9番 柳川に代わって
長妻が代打で送られる。
長妻が左打席に入る。
ここ一番のチャンスに
ベンチでは
「長妻打てよ」と言う声が聞こえる。
僕は、1塁ベースから長妻さんを見ている。
0対5の場面。ここでヒット1本でも打ってくれたら
点差が縮まって押せ押せモードになる。
2アウト満塁でヒットが出るかどうかでまったく違う。
ここでヒットがでれば、最低でも1対5となり
なおも、2アウト満塁になる。
1番の佐伯さんに回って上位打線だ
佐伯さんがヒットを打ってくれたら
さらに点差が縮まる。
初球、低めのスプリットをバッターの長妻が見逃してボール
2球目、アウトコースのストレートをピッチャーの藤木が投げた。
バッターの長妻は打ちにいった。打球は打ちあがって、ファーストがファウルゾーンに入り、追いかける。
打球は1塁側の観客席に入り、ファウルとなった。
1ボール1ストライクとなる。
危なかったとファウルフライでアウトになるところだった。僕は1塁ベースにしっかり戻った。
そこからボールが連続して
3ボール1ストライク
5球目、高めの抜けた球を長妻が振りそうになるが
バットを止めてハーフスイングになり球審はボールと判定
キャッチャーの藤城は長妻がスイングのではないかと思い
一塁塁審に指をさす。
1塁塁審はセーフとジェスチャー
ピッチャーの藤木ががっくりとした表情をした。
長妻は1塁ベースに向かった。
3塁ランナーの高見さんはホームに帰ってくる。
1塁ランナーの僕も2塁ベースに向かう。
1点が入って
1対5となった。
なおも、2アウト満塁で
キャッチャーの藤城がタイムをとって
ピッチャーマウンドに行き、内野陣を集める
2アウト満塁なので
どこでもアウトにできるから
それの確認だろう。
確認が終わったのか
キャッチャーが戻ってきて
試合が再開する。
2アウト満塁で
1番佐伯が左打席に入る。
上位打線にまわったのでヒットが続く可能性がある。
初球、アウトハイのストレートをセンター返しをした。
佐伯さんが打球を打った瞬間僕はスタートをした
センター方向に打球が上がったことを横目で見ながら
3塁ベースを踏んでホームに帰ろうとする。
観客の落胆の声が聞こえてきたが
一応最後まで、全力で走ってホームベースを踏む。
どうやら、センターフライなようで
打った佐伯さんが残念そうにベンチに戻っていった。
今日一番のチャンスだったなと思った。
9回は、それぞれ得点が入らず
5対1で
オリックス・バイソンズの勝利となった。
ベンチで小久保さんが僕の隣に座った。
「今日は残念だったな」セカンドの小久保さんが言った。
「ですね。8回が一番のチャンスでした」僕が言った。
「まあ、オリックス・バイソンズ相手に2勝1敗と勝ち越したから良かったよ」
小久保さんが言った。
「オリックスの黒瀬って言う選手足が速くてびっくりしたよ」僕が言った。
「少しショートの横に行っただけでセーフだもんな。」
「左バッターっていいですよね。内野安打増えるし」僕が言った。
「柊も左バッターやってみたらどうだ」小久保さんが言った。
「スイッチヒッターですか。左で打ったことないですから、無理ですよ」僕は
笑った。
「まあ、そうだよな」小久保さんが言う。
負けた後は、相手側のヒーローインタビューなので
早めに球場の建物の中に入って
ロッカールームに行った。
グラブを丁寧に袋に入れて
リュックの中にしまう。
後は、空いてる場所で
ストレッチを行って、筋肉痛にならないようにする。
ここ3試合ずっと試合に出続けられて幸運だなと思った。
守備でも、ファインプレーをして。打者でもチャンスで
打つことができた。
今日は途中出場だったので
1打数1安打。
1軍成績 4打数3安打 1打点
まだ、打席数が少ないから何とも言えないが
出だしは順調である。
配球も今日は山を張ってあたった。
寮に戻ると中条とおるがいた。
「お疲れ、柊」中条が言った。
「中条おつかれさん。2軍試合出場できたか」僕は言った。
「できましたよ。打撃成績は良くないんだけどね」中条が言った。
「こっちも途中出場で試合に出たんだけど、まだまだアピールできてないんだよな」僕は言った。
「柊は僕たちより1段上にいるもんね」中条が言った。
「まあ、そうなるかな。安藤はもう1段先にいるけど」僕が言った。
「柊も安藤に追いつける気がするよ。」中条が言った。
僕は部屋に入って
スマホで横浜ゴールデンウルフズの交流戦の成績を見る。
7位となっていた。
4勝5敗である。
1位は読売ガゼルーズとなっている。
7勝2敗
読売ガゼルーズは今、セリーグで4位なので
調子が上がってきてるなと思った。
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