オリックス・バイソンズ戦 第3戦 川波さんと村上
寮に戻ると村上が待っていた。
「柊さん、やるじゃないですか?追加点ナイスです」村上が言った。
「安藤が打ってくれたから、自分も打とうと思って打席に入れたんだ」僕が言った。
「やっぱ、柊さんバッティング上手ですね」
「あの打席、冷静で周りがよく見えていたんだ。
だから、相手のチェンジアップにも上手くバットに当てることができた。」僕が言った。
「へぇ、そうだったんですね。柊さんは打つと思って見てました。
なんとなく打ちそうな雰囲気があって」村上が言った。
「それより、明日しっかりと体休めないとちょっとストレッチしてくる。」僕が言った。
僕は自分の寮の部屋で
入念にストレッチをした。
明日また試合があるので、ちゃんと動かせるように
1軍に帯同してから、少し体に負荷がかかっている
足をしっかりほぐした。
ここまで、
1軍公式戦 3打数2安打 1打点
6月6日
朝、目覚めてジョギングをしに行った。
その後、12時ぐらいに寮をでて横浜スタジアムについた。
13時30分にウォーミングアップが始まって
しっかりと体を動かす。
安藤が隣に来た。
「安藤は今日出番があるかもね」僕が言った。
「そうだといいな」安藤が言った。
ウォーミングアップが終わってロッカールームに行くと
川波さんがいた。
「車の免許って柊持ってるの?」川波さんが言った。
「いや、まだ持ってないですけど」僕が言った。
「そうなんだ。最近面白い本があってね。」
「なんていう本ですか」
「『大将軍の信長』って本なんだけど」
「ああ、歴史ですか。あまり呼んだことないです」
「うーん、そうか」川波さんが言った。
「柊って高校時代ピッチャーやってた?」川波さんが言った。
「いや、ピッチャーはやったことないです。ずっとショートでした」
「そうか。ショートが合っているんだろうな」川波さんが言った。
「川波さんは高校時代どこ守っていたんですか」
「俺は、外野を守っていたよ。プロに入ってからセカンドだけどね」
川波さんが言った。
「へぇ、そうなんですね」僕が言った。
高校時代のポジションとプロ行ってからのポジションは違う人は結構いるんじゃないかと思う。
高校時代4番でピッチャーだったっていう人は多い。
川波さんと別れて水を飲んだ。
その後、練習をして試合の準備をした。
17時30分
試合が始まる30分前にスターティングメンバーが
発表された。
僕は、選ばれなかった。
横浜ゴールデンウルフズ
1番 佐伯 センター
2番 小久保 セカンド
3番 橋本 サード
4番 高見 レフト
5番 松田 ファースト
6番 安藤 ライト
7番 常田 ショート
8番 黒岡 キャッチャー
9番 黒沢 ピッチャー
今日は、安藤がスタメンに入っていた。
安藤は昨日の活躍で、スタメンでも通用すると思ったのだろう。
安藤の1軍成績はここまで、
70打数16安打 242とそこまで打てていない。
2軍の成績は3割台であった。
1軍のレベルの高さがうかがえる。
今日の先発は横浜ゴールデンウルフズのエースの黒沢さん
キャッチャーの黒岡さんとピッチャーの黒沢さんをかけて
黒黒コンビと呼ばれている。
オリックス・バイソンズ
1番 黒瀬 センター
2番 青島 ライト
3番 岩谷 セカンド
4番 鳥越 サード
5番 藤城 キャッチャー
6番 半澤 レフト
7番 八島 ショート
8番 高塚 ファースト
9番 鎌田 ピッチャー
試合がスタートする
僕はベンチで見ていた。
1回表、オリックス・バイソンズの攻撃は
3者凡退で終わった。
黒沢さんのストレートが今日は走っている。
試合は両チーム点をとれなくて
4回に入った。
ピッチャーは黒沢
4回表、
7番八島がフォアボールで出て
ノーアウトランナー1塁になった。
8番高塚がバントの構えを見せる。
初球高めのストレートをバットにあててピッチャー前に転がる
ピッチャーはボールを捕りにいって捕球をした後、
2塁に投げようとするがキャッチャーの黒岡がファーストと言ったので
ファーストに投げた。
1アウト2塁と送りバント成功の形になった。
9番 鎌田
バントの構えを見せる。
十中八九バントである。
9番の鎌田がピッチャーなので、バッティングはそんなに得意ではない。
内野がバントシフトをひいてくる。
1球目、インコースにストレート155kmを投げた。
バッターの鎌田はバットを引いてストライクと判定される。
2球目、アウトローにカーブを投げる。
バッターの鎌田は上手くバットに当ててファーストに転がす。
ファーストはボールを捕って、ファーストベースにカバーに入った。セカンドに投げて
2アウト3塁となった。
「オリックスバイソンズ、確実に1点を取ろうとしているね」川波さんが言った。
「そうですよね。ここで1点を取られるのは嫌ですね」僕が言った。
「8番の高塚さんのバントをピッチャーの黒沢さんがショートに投げようとしたけど、
キャッチャーの黒岡さんが止めて、ファーストに投げさせたのが
何気にファインプレーなんだよ」川波さんが言った。
「黒沢さん、結構バントしにくいところに投げてたけど、8,9番のバントがうまかったね」僕が言った。
「そうなんだよ。相手の先発ピッチャーはそろそろ変えてきそうだし」川波さんが言った。
2アウト3塁のところで
1番 黒瀬
左バッターボックスに立つ。
ピッチャーが黒沢さん、バッターが黒瀬さん。キャッチャーが黒岡さん
3人とも頭の苗字に黒がそろって珍しいなと思った。
ピッチャーは黒沢
初球、アウトローにストレートを投げた。
バッターの黒瀬は見逃してボール
その後、3ボール2ストライクとなり
7球目、黒沢がスライダーをアウトローに投げた。
バッターの黒瀬は流し打ちをして打球は三遊間にゴロで転がった。
ショートの常田さんが逆シングルでとってボールを持ち替えてから
ファーストに投げる。
無駄のない動きだったが
黒瀬さんの足が速くてセーフとなった。
3塁ランナーが帰ってきて
1対0でオリックス・バイソンズが勝っている。
この回は、この得点で終わった。
6回裏、
ピッチャーは鎌田に代わって中継ぎの藤木が入っている
ノーアウト1,2塁で6番、安藤が送られる。
横浜ゴールデンウルフズの観客は大歓声
昨日、決勝打を打ったのを知っているファンは
期待をしているのだろう。
安藤が左打席に入る。
初球145kmの真ん中のストレートを
弾き返した。打球はセンターに上がる
打球はセンター後方に伸びていく。
ベンチはたちあがったが
センターの黒瀬の守備位置が後だったこともあり
センターフライ
2塁ランナーがタッチアップで3塁まで行って
1アウト1,3塁になる。
「惜しかったな、安藤」川波さんが言った。
「ですよね。黒瀬さんが定位置だったら余裕で抜けてましたよ」僕が言った。
7番に常田が入る。
0ボール2ストライクと追い込まれて
3球目、スプリットを当てただけ、ピッチャーゴロになる
3塁ランナーの高見さんがなぜか飛び出していて、
ピッチャーの藤木がサードに投げる。
3塁ランナーの高見さんが挟まれて
逃げ回る。
高見さんが挟まれている間に
1塁ランナーの松田がサードに行った
高見さんは安心して少し動きが遅くなり
キャッチャーが高見さんにタッチして
アウトになる。
2アウト1,3塁となった。
高見さんが粘ってくれたおかげで
1塁ランナーの松田さんが3塁に行くことができた。
2アウト、1,3塁で
8番 黒岡
ピッチャーは変わらず、藤木
3ボール2ストライクとフルカウントになって
6球目のアウトハイのスライダーを流し打ちをして
打球がライトに上がる
ライト線に落ちそうになるが
ライトの青島がスライディングキャッチしてアウト
ファインプレーが出た。
3アウトチェンジで
ノーアウト1,2塁からのチャンスから
点を入れることができなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
面白いと思ったら応援やコメント 星☆をお願いします。
週間ランキングに久しぶりに乗りました。
現代ドラマ190位です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます