ついに柊、1軍に出場する
6回表ついに自分が出場する番がやってくる。
守備コーチの倉野さんに「守備交代でショート行くぞ」と言われて
グラブをもってショートの守備につく。
ショートの守備位置につくと、球場全体がよく見えて
ふわっとした感覚になる。
観客席がよく見えた。
横浜ゴールデンウルフズのスタジアムなので、横浜ファンのユニフォームがよく見える。
「6回の表、ショートの常田に代わりまして柊 に代わります」ウグイス嬢が言った。
球場では、誰だろうとざわめいてるのだろうと思った。
川波さんの助言で試合に集中すれば、大丈夫と言われていたので
試合に集中する。
6回表
7番八島からの攻撃
八島が右バッターボックスにはいる。
横浜のピッチャーはまだ、雨宮が投げている
1球目、インコースの148kmのストレートをファウルにする。
僕は、いつボールが来てもいいように集中している。
2球目 アウトコースにシンカーを投げる。
バッターは、空振りをしてストライク
2ストライクで
僕は三塁側の守備位置をとった。
この八島さんは引っ張りが好きでよくレフト線に打っていたので
センターラインは空いてしまうが三遊間は閉じるようにした。
3球目インコースのストレートを八島が振った。
こっちに来ると思って僕は構える。
打球が正面に来た。
少し、体を右にずらしてから、顔の正面に打球が来ないようにして捕った。
これで1アウトとなった。
ピッチャーにボールを返して
1アウトとみんなに声をかける。
8番の高塚はセカンドゴロに倒れて
2アウトとなり、
9番 赤塚となった。
右打席に入る。
僕は少し深い位置にポジションを取った。
雨宮がマウンドに立つ。
1球目、ストレートを空振りをしてストライク
2球目、スライダーを引っ張って上手くバットに当てた。
打球はフラフラとセンターとショートの間に上がる
僕は懸命に追うが、センターからオーライと掛け声がしたので
すぐに追うのをやめた。
センターがボールをキャッチして3アウトとなった。
6回裏 2アウトランナー無しで
僕に打席が回ってくる。
7番 柊 と呼ばれて打席にたつ。
右打席に立った僕はプロ野球の世界に一歩踏み出せたと思った。
ここまで、来るのに時間はかかったが意外と早く来れたと思った。
社会人でドラフトにかかるまで、必死で野球やってきて
プロ野球に入ってからも1軍に上がるために必死にやってきた。
ドラフト2位と評価をしてもらって横浜ゴールデンウルフズに入って
安藤というすごいバッターを見た。
そして、同期といういい仲間もいた。
寮生活では楽しく過ごせて、鈴村が同期の親睦会のために大会を開いてくれたときは
うれしかった。
村上とも仲良くなれて、先輩の小久保さんや富永さんなどに野球について教えてもらい。
2軍コーチの川田さんはノックが厳しかった。
ここまで、来れたのは、環境のおかげでもある。
僕は横浜ゴールデンウルフズに入れたこと、さらに同期と出会えたことに感謝して
打席に入った。
うれしくて少し涙が浮かぶ。
1球目、アウトコースのストレートを見逃してストライクとなった。
まずは、1球見ようと思い見逃してた。
今日は配球を読んで打ったりせず、自然体に任せて打とうと思った。
2球目、インコースのスライダーが来た。
反射的にバットが出て、三遊間に打球が転がる。
僕は必死で1塁ベースに向かって走る。
人生で一度の初打席だ。
ショートが逆シングルで捕球しようとするところが見えた。
僕は必死にファーストを駆け抜ける。
僕がベースを踏んだ後にファーストがボールを取った。
審判はセーフの判定。
相手側もセーフと分かっているのか
VARは行わず、初打席初ヒットとなった。
1塁側ベンチでは、歓声が上がって
出塁時の応援歌が流れた。
この回は点が入らず、
7回表になった。
相手のオリックス バイソンズの
1番黒瀬からの攻撃
僕はショートの守備を浅めに取った。
常田さんが定位置守ってファーストに投げたけど
黒瀬さんはセーフになったので
これは、足が速いと思い、少し浅めにとったのだ。
ピッチャーは雨宮
1球目、ストレートをインコースに投げる
黒瀬はカットをしてファウル。
2球目、3球目ボールとなり
2ボール1ストライク
バッティングカウント
今度はアウトコースに要求したので、少しセンター方向よりの守備についた。
4球目のアウトコースストレートを黒瀬が振って打球はピッチャー方向にゴロで進んだが
ピッチャーは取れず、僕はグラブを伸ばしてボールを取った後、すばやく回転して
ファーストに投げる。判定はアウト
浅めの守備を守っていて良かったと思った。
ピッチャーからナイス守備と言われた。
2番青島が右打席に入る。
1球目、インコースのスライダーを投げた
青島が打って打球はショートに転がる。
僕は少しファースト方向に体を向けながらボールを捕って
ファーストに投げてアウトにした。
交代してから、ショートに打球がよく飛ぶなと思った。
これは野球でよく言われている
守備で交代した選手に打球がよく行くと都市伝説的に言われている。
これは本当にそうなんじゃないかと思った。
3番岩谷はレフトライナーでアウトになった。
8回表
オリックス バイソンズの試合
0対6
1アウト満塁でピッチャー交代
雨宮に代わって芦沢
中継ぎのピッチャーに代わった。
8番ファースト高塚が右打席に入る。
芦沢は、ストレート148kmを持っている。
1球目ツーシームを投げた。
インコースにボールが行ってストライク
2球目フォークボールを投げて空振りした。
2ストライクと追い込まれてから
1球外に外して1ボール2ストライク
僕は、定位置で守っている
4球目の強烈な打球を正面でとって
2塁に投げた。セカンドがとってベースを踏んでから、
ファーストに投げてアウトとなった。
その間に3塁ランナーがホームに帰って
1点を失った。
1対6で 横浜ゴールデンウルフズがリードをしている
2アウト3塁
ゲッツーという素晴らしい結果になって良かったと思った。
ここでヒットを打たれたら、雲行きが怪しかった。
9番赤塚に代わって、板野に代わった
板野はピッチャーゴロに倒れてアウトになった。
8回裏
自分の打席が回ってきた。
2アウトランナー無しで
7番ショート 柊と呼ばれた。
今日、初めての一軍の試合、最初はどうなるかと思いきや
初打席初ヒットを打って、無難に守備機会をこなすことができた。
ピッチャーは増谷
ストレート150kmを投げるピッチャー
右打席に入った。
初球アウトコースのストレートを流し打ちしたが
球速に負けてセカンドライナーになった。
2打席連続ヒットなんてそう簡単に打てないかと思った。
9回表
2アウトランナーなし
ピッチャーは横山
バッターは3番岩谷
少し深めの守備位置を取る。
1球目ツーシームで1ストライクを取る。
2球目チェンジアップを投げた打球はピッチャーのマウンドに打ちあがる。
自分が捕ろうとすると、サードの高橋さんがオーライと言ったので
任せる。高橋さんが捕ってゲーム終了となった。
1対6で
横浜ゴールデンウルフズの勝利となった。
「お疲れ柊」小久保さんが言う。
「小久保さんお疲れ様です」僕が言った。
「いや、本当に守備よかったよ」小久保さんが言った。
「いや、今日ショートに打球がいっぱい来て大変でした」僕が言った。
「黒瀬のときの打球処理が一番良かった。」
「ショートの常田さんがアウトにできなかったから、これは浅めの守備にしないとと思った結果があれだったので良かったです」僕が言った。
「そうなのか、黒瀬は足が速いからな」小久保さんが言った。
「それに初打席初ヒットが打ててうれしかったです」僕は言った。
「初打席初ヒットおめでとう、よく打ったよ。内野安打でもヒットだ」小久保さんが言った。
「プロ野球の初ヒットの記念ボールもらいましたよ。」
「良かったな、ヒットを打てずにプロ野球人生終わる人もいるんだぞ」
「いや、本当に1軍にしがみついていきたい」僕が言った。
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