柊、調子が良くなる。
3日たって
5月31日
この3日間のうち2日は自分がスタメンで出た。
2軍成績は
134打数 36安打 268 4本 8打点
となった。
今日はスタメンに呼ばれた。
1番 富永 セカンド
2番 柊 ショート
3番 宮島 サード
4番 笹野 レフト
5番 村上 センター
6番 鈴村 ライト
7番 石堂 サード
8番 九条 キャッチャー
9番 百田 ピッチャー
今日は2番で呼ばれている。
いちおう、バントもできるからだ。
今日の対戦相手は、読売ガゼルーズ
ピッチャーはけがをして調整中である
花里
1軍で昨年成績を残していたベテランピッチャーだったが
肘を痛めて今、2軍で調整している。
150kmのストレートに
シュート、スライダー、フォークと色々持っていてコントロールがいい。
昨年のQS(クオリティースタート)は
65パーセントと良い。
QSとは、先発投手が6回以上を自責点3点以下に抑えた時に
カウントされるため、パーセントが大きければ大きい方がいい。
QS数÷先発登板数
の計算式で表される。
1軍で通用するピッチャーに自分が今、どのくらい対応できるか試せるということだ。
1回裏
1アウトランナー無しで打席が回ってきた。
僕は右打席に立つ。
1球目、インハイの150kmストレートを見逃してボールとなった。
球が早くて、振り遅れた。
ストレート狙いよりも変化球狙いで球を待つ。
2球目、アウトコースのカーブがきた。
腕を使ってボールを当てにいって打球はライトとセカンドの真ん中あたりに落ちる
ポテンヒットとなった。
1塁ベース上でガッツポーズをした。
1塁コーチャーは2軍打撃コーチの川田さん
「3球目に走ってこい」川田さんが言った。
「このピッチャークイック速いんじゃないですか」僕は不満そうに言った。
「いいから、行ってこい」川田さんが言った。
3番は宮島さん
右バッターボックスにたつ。
ピッチャーの花里が牽制球を投げてきたので、1塁に戻りセーフ
リードはそこまで取らずに、1塁ベースにすぐに戻れるようにする。
初球、ストレートを振って1塁側の観客席に入ってファウルになる。
2球目、インコースのシュートを引っ張ってまたファウル
追い込まれた。
僕は、さっきより2歩だけリードを広げる。
3球目にスタートしろと川田コーチに言われたので
ここで走る。
もし、宮島さんが空振りしたら、キャッチャーが2塁に投げて僕もアウトになって
ダブルプレーの可能性もある。
3球目、ピッチャーが足を上げて腕を振ったときにスタートをした
スタートは少し遅れた。
僕は宮島さんが振る時に一度ホームを見る
空振りをして三振に倒れていた。
2塁ベースに目線を置いて、懸命に走った。
2塁ベースに僕がつくのと、ショートがグラブで僕にタッチするのは
僕には同時に見えた。
塁審がセーフと判定をする。
盗塁成功となった。
今季3盗塁目である。
2アウト2塁で
4番の笹野さんに回ったが三振に倒れて
点は入らなかった。
3回裏
2打席目が回ってくる。
ノーアウトランナーなし
得点は0対2で勝っている。
今回はストレートに狙いを定める。
初球、インコースに150kmのストレートが投げられた。
僕は狙いすましたように、腕をたたんでバットの芯をとらえた。
打球は左中間に上がって、スタンドの中段にボールが落ちる。
ソロホームランで1点が入る。
0対3とリードした。
これで2軍公式戦ホームラン5本目となった。
チームメイトが出迎えてくれてタッチをする。
「ナイスホームラン」能登さんが言った。
「ああ、狙いが当たったよ」僕が言った。
「インコース強いですね。」
「まあ、得意なコースかも」僕が言った。
ベンチでヘルメットを脱ぐと
宮島さんがやってきた。
「おお、ホームラン気持ちいだろ」宮島さんが言う。
「芯に当たってあそこまで飛ぶと思いませんでした」僕が言った。
「1打席目の盗塁もよかったぞ」
「あれ、川田コーチが無茶いったんですよ。3球目でスタートしろっていわれて」
「花里さん相手に盗塁するのは確かにリスクあるけど、
結果的に成長できたんじゃないか」
「そうなんですよね、タイミングみたいなのが花里さん相手に分かりまして」
「守備もしっかりしろよ」宮島さんが言った。
5回裏
2アウト1塁の場面で回ってきた
3打席目に入る
右打席に入って、バットを引いて構える。
ピッチャーの花里は3失点したが持ち直している
球はいまだに、149kmを出していて衰えていない。
1球目、真ん中低めのスライダーを見逃してストライク
そこから、2ボール2ストライクとなり
ファウルで粘った後
6球目低めの150kmストレートを怖がらずに上手くバットに当てた後
少しバットを引いた。
ボールが転がってサード線の方向に行く。
僕は懸命に走って1塁ベースを駆け抜けようとする。
ファーストがボールを捕球する構えになったので
まずいと思い。さらに加速する。
ボールが高くなったのかファーストがジャンプするしかし、ボールはさらに上だったようで
ファーストが取れずに暴投。
僕は1塁ベースを駆け抜けた後、すぐに2塁ベースにいった。
1塁ランナーはすでにホームにかえってきて1点。
2アウト2塁となった。
0対4とリードをしている。
ピッチャーが交代して、中継ぎ投手がマウンドに立つ。
3番の宮島さんが
ヒットを打って
僕がホームに帰って1点が入り、
0対5となったところで
4番の笹野さんが凡退をしてこの回は終了した。
7回裏
4打席目が回ってきた。
2アウトランナー無しで打席が回ってきた。
相手のピッチャーは145kmのストレートを持っている。
1球目、フォークボールを上手くとらえてセンター前ヒットとなった。
これで、今日4打数3安打
5回裏の打席は相手のエラーになっていた。
8回表に白里さんと交代した。
「お疲れ、柊」鬼沢さんが言った。
「お疲れ様です」僕が答えた。
鬼沢さんは、小久保さんに変わって2軍に落ちた人で
渋い顔をしている。
28歳である。
「今日は4の3か」鬼沢さんが言った。
「今日はホームラン打てたので満足です」僕が言う。
「柊、守備位置もうちょっと後でもいいかもな。肩強いから前にボールが行っても
間に合うと思うんだよ」鬼沢さんが言った。
「参考にします。」僕が言った。
試合は、0対6で勝利した。
今日は4打数3安打
成績は、138打数 39安打 .282 5本 9打点
かなりいい成績になってきてる。
.260台をさまよっていたのが、ここにきて.280になった
ホームランも打てたしこの調子で行こうと思った。
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