ドラフト5位の鈴村と柊
5月21日
埼玉西部ジャッカルズの試合
僕はスタメンから外れた。
「柊スタメンから外れたのか」鈴村が言った。
「そうみたい」僕が言った。
「じゃあ、一緒に見ようぜ」と鈴村が言って隣の席に座ってきた。
鈴村もベンチである。
今日のスタメンは
1番 能登 センター
2番 富永 セカンド
3番 鬼沢 ライト
4番 笹野 レフト
5番 宮島 サード
6番 白里 ショート
7番 松宮 サード
8番 伊藤 キャッチャー
9番 相川 ピッチャー
白里さんにスタメンを取られた。
今日は村上もスタメンに外れたようだ
代わりに入ったのは、1軍から小久保さんに変わって2軍に来た鬼沢さん。
試合が始まった。
西部ジャッカルズの投手は140kmのストレートをもっている。
「昨日友達と食べに行ったんだけど、横浜ゴールデンウルフズの4番の
高見選手の話になって、来年FAでどこに行くか注目されているんだけど」鈴村が言った。
「え、FAで横浜ゴールデンウルフズ去る可能性あるってこと」僕が言った
「そりゃ、FAしたら年棒があがるからするんじゃないかな」
「まじか。高見さんと会ってみたかったのに、今年1軍に上がるようにより頑張らないと」僕が言った。
「ほんと面白いな。そんなに高見さんに会いたいのか」
「横浜の中心人物だから会いたいにきまってる。」僕が言った。
「高見さんはもしかしたら、横浜一筋かもしれないぜ。横浜が好きだってインタビューで言ってたし」
試合を見ながら話していた。
1回表は、
1番、能登がセーフティバントでアウトになり、
2番の富永がサードフライを打って2アウト
3番、鬼沢がセンターフライに倒れて3アウトチェンジとなった。
「横浜ゴールデンウルフルズって昨年、4位だっただろ。
ピッチャーは中継ぎがあまりよくないのが原因かな、打者はそろっているんだけどね」
鈴村が言った。
「スタメンの野手って結構そろってるよね。壁が高い」僕が言った。
「安藤が1軍にいるのがすごいな」鈴村が言った。
「そういえば、親孝行するために何買うべきか考えてるんだよね」僕が言った。
「親孝行か。車とか買えば。柊、契約金で結構もらってるだろ」
「うちの車、最近買い換えたばかりなんだ。それに高すぎても使いにくいでしょ。
時計とかにしようかな」僕が言った。
「気持ちこもってれば、大丈夫だと思うぞ」鈴村が言った。
試合は、1アウトと進んでいた。
「最近忙しくて見てないんだけど、今どこが強いの」僕が言った。
「うーん、今はまだ、5月だから混戦状態だから何とも言えないけど、
首位は広島ライオンズでピッチャーがいいらしい。」鈴村が言った。
「首位は広島ライオンズか、横浜は今、3位なんだよね。いい位置にいるね」僕が言った。
「こないだ、野球ゲーム大会しただろ、その後、上手くなるために結構やりこんだんだけど、CPUだったから実際に外村と対戦したけどまったくダメだった。」
「ああ、あるあるだよね。CPUだと勝てるのに対戦相手がいたら負けてしまうこと」僕が言った。
「そうなんだ。後、外村が強かったということもあるけど」鈴村が言った。
話をしている間に、2回裏が終わってスコアは0対0
どちらもまだヒットがでていない。
両投手ともいい出だしである。
「ちょっと話過ぎたね、試合に集中しよう」僕が言った。
3回表、松宮からの攻撃
投手は140kmのストレートを持っている。
初球から松宮さんが積極的に振りにいった
1球目のストレートをファウルにする。
2球目、インコースのスライダーをファウルにして
2ストライクと追い込まれる。
「松宮さん追い込まれたな」鈴村が言った。
「僕がピッチャーだったら3球目、フォークボール投げて三振にするかも」僕が言った。
3球目、フォークボールを当ててきてファウルにした。
「ついてきたぞ」
「次は、高めのストレートで目線変えるはず」僕が言った。
4球目スライダーをバットの先に当ててセカンドゴロとなった。
「ああ、読み外した」僕が言った。
「松宮さん、当たったら飛ぶよな」鈴村が言った。
8,9番は凡退して終わった。
5回裏 0対0の展開で
相手の1番バッターがヒットを打って
そこから連打されてノーアウト満塁
4番バッターを迎えた。
外野は定位置。ここは無理をしなくていいという判断だ
内野は前進守備、ホームでアウトを取る形。
ピッチャーは相川
1球目インコースのストレートを投げる。
バッターは見送ってストライク。
そこから、2ボール2ストライクとなって
5球目、高めのボール球に手を出して
ショートフライ
1アウト満塁となった。
「おお、相川さんピンチでも4番をしっかり抑えてる」僕が言った。
「ノーアウト満塁で無失点で抑えたらすごいぞ」鈴村が言った。
「つぎ、5番打者か。抑えられるかな」僕が言った。
「あのバッター三振多そうな振り方してるな」鈴村が言った。
「ほんとうに」僕が言った。
5番バッターが左打席に入る。
相川さんが一度3塁にけん制をして呼吸を整える。
1球目アウトコースのストレートを投げる。
バッターは反応せず、1ストライク
2球目、フォークボールを振って2ストライク
3球目、フォークボールを投げて甘めに入った球になった。
5番バッターが芯でボールをとらえて、打球はライト方向にいき
ホームランとなった。
相川さんががっくりと肩を落としていて、
キャッチャーの伊藤さんがタイムを取って、間合いを相川さんを落ち着かせる。
0対4と埼玉西部ジャッカルズがリードとなった。
「これは、やられたな」鈴村が言った。
「そうだね。4点差はでかいのと、満塁ホームランっていうのがダメージがでかすぎる。」
僕が言った。
その後、両チーム点が入らず
9回表、横浜ゴールデンウルフルズの攻撃となった。
3番鬼沢さんからの打順
相手ピッチャーは抑え投手
ストレートは140km台である。
1球目、ストレートを膝下に投げてきた。
鬼沢は当てるだけのバッティングになった。
打球はショートにいき、急いでショートが前に進んでボールをとる
鬼沢さんは全力で走ってファーストにボールが渡った時には
セーフとなった。
「ナイス、鬼沢さん」ベンチのみんなが声を出す。
「鬼沢さんって足早いんだ」僕が言った。
「そうらしいね。」鈴村が言った。
ノーアウト1塁で
4番笹野
左打席に立つ。
初球のアウトコースのストレートをとらえてセンター前にボールが落ちて
ヒットになる。
「これは、もしかしたらあるんじゃないか」鈴村が言った。
「いや、まだ気が早いよ。後ヒット1本打ったないと」僕が言った。
5番宮島
右打席に立つ。
ピッチャーが2塁にけん制球を投げる。
2塁はセーフ
1球目ボールを外した。
1ボール
2球目、アウトコースのストレートが外れてボール
3球目インコースのボールを引っかけてサード方向に弱い打球になる。
サードはファーストに投げてアウト
1アウト2,3塁となった。
「1アウト、2,3塁か。ヒット1本打てても良くて2点か」鈴村が言った。
「やっぱり、満塁でホームラン打たれたのが痛いですね」僕が言った。
「いや、ここからフォアボールが出たらわからないぞ」鈴村が言った。
6番白里
左バッターボックスに立つ。
1球目アウトコースのストレートをファウルにした。
そこから、3球ボール球になり、3ボール1ストライクとなった。
5球目のフォークボールを白里は見逃してフォアボールとなった。
1アウト満塁となる。
「白里がフォアボールで出塁ってことは満塁だね。これホームラン打ったら同点になるよ」僕が言った。
「そうだな。ここで打ったらヒーローだ」鈴村が言った。
7番 松宮
右バッターボックスに立つ。
1球目ど真ん中のストレートを見逃しした。
「松宮さん緊張してるよ。リラックスリラックス」ベンチで僕がいう。
「ど真ん中にきても、プレッシャーかかって打てないよな」鈴村が言った。
2球目、高めのつり球を見逃してボール
1ボール1ストライクとなった。
3球目、真ん中のスライダーをとらえた。
打った瞬間、いったと思い。立ち上がる。ベンチのみんなも僕と同じように立ち上がって
ボールの行方を見つめる。
しかし、バットの芯に当たってないからなのか失速して
センターフライとなった。
打った松宮さん本人が一番落胆していた。
2アウト満塁でまだチャンスはある。
みんなドンマイドンマイと松宮さんに声をかけた。
「あれは絶対行ったとおもったんだけどな」鈴村が言った。
「だよね。やっぱりバットの芯じゃないと飛ばないんだね」僕が言った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます