安藤チャンスで打席に入る

6回裏の攻撃、外野席ではラッパを鳴らして応援歌を歌っていて

1塁側席は青一色に染まっている。

天気は少し曇っている。


6回裏の攻撃

佐伯からの打順

ピッチャーは松浪


佐伯が左バッターボックスに立つ。

初球、スライダーを引っ張ってライト前ヒットになった。

「ナイスバッティング」僕が声を出す。


ノーアウトランナー1塁で2番 小久保

初球、ピッチャーが足を下した瞬間に走った。

走るタイミングは遅かった。キャッチャーがボールを取って2塁に投げたが

逸れてセーフとなった。

これで、ノーアウト2塁

その後、小久保さんは四球を選んだ。


ノーアウト1,2塁で

3番橋本

大歓声が上がる。


揺るがぬ確かなプライド

獲物を捕らえろ

青く光る彗星

ハマの牛若丸

かっとばせー 橋本


応援歌が流れる。


橋本が左打席に立つ。

初球、インコースのボールを流しうちをしてレフト前にポテンヒット

2塁ランナーは、落ちるのを見てからスタートしたので3塁でストップ

ノーアウト満塁となった。


「今日一番のチャンスですね」村上が言う。

「次は4番の高見さんだ。ここでヒットを打てば2点入る可能性がある。」僕が言った。


4番打者の高見が右打席に立つ。

体が大きく威圧感があった。

ノーアウトランナーなし、外野は定位置

初球の高めの釣り球を見逃してボール

それから、2ストライクと追い込まれて

1ボール2ストライクで相手はフォークを投げた

空振りをして高見は三振に倒れた。

観客席は落胆していた。


1アウト満塁で長打力が武器の松田

2ボール2ストライクとなって

5球目のシンカーを打ち上げてサードフライ

サードがしっかり取ってアウトとなった。


2アウト満塁で安藤

ノーアウトのチャンスからいつの間にか2アウトになってしまった。


「安藤に打席が回ってきた。楽しみだな」村上が言った。

「安藤ここで打ってくれたら、横浜勝てるかもね」僕が言った。


熱い想い胸に チャンスの扉を開け

打球が描く軌道は さあ共に戦おう


応援歌が流れた。

「ここで、安藤だよ。期待のルーキー」僕と村上が座っている前の席で

横浜ファンの30代の男の人がしゃべっていた。

「だよな、ここ最近、まあまあの打撃だったしここで打ってほしいけどな」30代の男の人の横でゴールデンウルフズのキャップをかぶった男の人が言った。


安藤が左打席に入った。

ピッチャーは松浪。

一瞬静寂になった。

1球目インコースのストレートを見逃してボール

2球目フォークボールをファウル。

3球目アウトコースのスライダーを見逃してボール

それから、連続してファウルにしていき

6球目高めのストレートを右中間に持って行った。

2塁ランナーがホームまで帰ってきて、1塁ランナーもホームに帰ってきた。

タイムリー2ベースヒット

4対5となった。



「安藤ナイスバッティング」僕は言った。

「安藤さん打ちましたね。やっぱり持ってますよ」村上が言った。

「ファウルの粘りからの高めのストレートを2ベースにするのはすごいね」僕が言った。

「ですよね。このまま逃げ切りたいですよね」村上が言った。

「そうだな。逃げ切らないと」僕が言った。


その後、7回、8回、9回は横浜の中継ぎが抑えて

4対5で横浜ゴールデンウルフズの勝利となった。

決勝打を打った安藤がお立ち台に上がる。


「ヒーローインタビューです。

1ホームラン2打点の活躍をした高見選手です。打った時どういう気持ちでした。」アナウンサーが言った。

「はい、狙い球だったので打ててよかったです。」高見が言った。

「これで横浜ゴールデンウルフズ2連勝しました。次もホームラン期待していいでしょうか」

「次の試合も勝てるように準備していきたいと思います。」

「高見選手でした。ありがとうがございました。」アナウンサーが言った。


「続いて、今日決勝打を放った安藤選手です。お立ち台は2回目ですね。前回初打席初ホームランで勝利に導いたことは記憶に新しいです。」アナウンサーが言った。

「また、お立ち台に立ててうれしいです。」さわやかイケメンのスマイルで言った。

観客から声援が送られる。

「打ったボールは高めのストレート。どんな気持ちで打席に臨みましたか」

「ヒットを打ってつなげようと思って打席に入りました。それがいい感じに結果を出すことができてよかったです。」安藤が言った。

「横浜ゴールデンウルフズのファンも安藤さんのユニフォームを着ている人が増えています。どう思いますか?」

「自分はまだまだなので、また活躍できるように頑張りたいと思います。」

「以上、高見選手と安藤選手でした。」アナウンサーが言うと

観客が拍手で迎えた。



「いや、安藤さん。ヒーローインタビューの受け答えもばっちりですね」村上が言った。

「俺たちもヒーローインタビューされた時の練習でもやっていくか」僕が言った。

「いやいや、まだ気が早いですよ。2軍で成績残さないといけないし」村上が言った。

「それもそうだな」

「意外と小久保さん普通にプレーしていましたよね」村上が言った。

「だよね。今季初めてスタメンで守備もしっかりしてた」僕が言った。

「後、高見さんはいつ見ても打ちますよね」

「だね。高見選手ホームランまた打った」僕が言った。

「高見選手活躍してるのうれしいです。」


横浜スタジアムの観客席を出てスタジアムの外に出ると駅までびっしり人がいた。

みんな、今日ベイスターズが勝ったことに喜んでいる。

野球ってやっぱりいいもんだよなと思った。

だって、こんなにもいっぱいの人が球場に足を運んでくれるんだから

僕もたくさんの観客に見られて試合をしたいなと思った。

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