みんなで安藤のホームランをテレビで見る。

僕は、テレビを消して、部屋を出て、隣の部屋の村上を呼んだ。

ドアが開くと、勝手に入って、椅子に座った。

「朝からどうしたんですか、柊さん」

と村上がいう。

「安藤が、鮮烈なデビュー飾ったよ」と僕は言った。

「え、まじですか。見せてください」と村上が言った。

スマホから、milチューブを開く、

動画が流れて、4月30日の横浜ゴールデンウルフズ対、中日キャットファイアーズの試合のハイライトが映し出される。

それから、僕がテレビに見たような映像が流れて、安藤が3ランホームランを打ったシーンまで、進み、9回まで行って試合が終わり、動画も終わった。

「まじですか、安藤さん初打席初ホームラン、決勝打じゃないですか」

「これは、現実だ。びっくりしただろ」

「すごすぎますよ、もう一回流しましょうよ」

村上が、スマホを手に取って、安藤が打席に入る場面までさかのぼる。

安藤がホームランをうち、歓声があがる

「うわ、これ何回も観れますね。一生残る動画ですよ」

「これで、安藤の名前がファンに伝わっただろうな。ドラ1のルーキーの安藤って、だけじゃなくて、あの初打席初ホームランを放った。新人選手だ。って

「まじか、僕も初打席初ホームランしてみたいです」

「生涯に一度の初打席をものにした安藤はすごいよ」

僕達は、2人で安藤の初打席初ホームランのすごさを語った。

部屋を出て、朝食を食べに食堂に向かうと、

なにやら、食堂で、人だかりができていた。

テレビで昨日の野球の試合のハイライトがまたやっているようだ。

みんな、安藤が昨日ホームランを打ったことを知っているようで

「もうすぐ、安藤の打席が来るぞ」と誰かが言って。

結果は分かっているのに、みんな、テレビにくぎ付けになっていた。

7回表の安藤のシーンになった。

「ここで、ホームランが来るぞ」と鈴村が言った。

「やばい、結果分かってるのにどきどきする」と住田がいう。

「打てよ、安藤」と倉田が言った。

安藤が打席にたって、3球目のインコースのストレートをすくいあげて、打球は高々と上がる。

「いけ、はいれ、伸びろー。」とみんなが叫ぶ。

打球は、ライトスタンドに放物線を描いてホームランとなる。

「よっしゃーホームランだー」

「安藤がホームラン打ったよ」と中条が言った。

「初打席初ホームラン安藤おめでとう」

とみんなが祝った。


朝食を食べて、今日は守備の練習をする。

守備と走塁のコーチを務める池田コーチがシートノックを打つ。

簡単なゴロを基本を忘れずに腰を低くして、グラブは少し、左足近くに出して捕る。

ボールが入ったグラブを素早く右手で取って、スローイングをした。

ボールは、まっすぐファーストミットに届いた。

「ナイス、スローイング」と池田コーチが声をかけた。

それから、簡単なゴロをしっかりとさばいて、守備練習が終わった。


午後から、全体練習が始まる。

昼食を取っていると小久保先輩に声を掛けられた。

「最近の調子はどうだ」

「少しずつ状態は戻っていると思います。」

「彼女とはうまくいっているか」

「はい、結構うまくいっています。」

「俺ももうすぐ、一軍に上がりそうだから、後からついてこいよ」

「最近、成績いいですよね」

「バッティングのコツをちょっとつかんだからな」

小久保先輩の成績は、23試合、92打数27安打 293と調子を上げていた。

「今度、ラーメン屋連れて行ってくださいよ」

「分かった、一軍に上がったらな」

小久保さんと別れて、1人でストレッチをした。

午後の練習は、バッティングである。

最近、調子が戻ってきた僕は、うまくボールを引き寄せて、

バットを振った。

センター前ヒットである。

あたりがいいときは、ホームランとなった。

「そうそう、力抜いて打って」とバッティングピッチャーから声がかかる。

テイクバックのときに、握りを少し弱くした。

ど真ん中のストレートをバックスクリーンに打った、。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る