第20話
「そういえば、さっきからちらちらと通りすがりの綺麗な子を見てて楽しいですか?」
と前村さんは言った。
「いや、ごめん。そんなつもりはなかったんだけど」
「私のこと可愛いと思わないんですか」
「もちろん、前村さんは可愛いよ」
「じゃあ、他の女の人ちらちら見ないでください。」
どうやら、前村さんは嫉妬しているようだ。
「ごめんごめん、ちゃんと前村さんのこと見るよ」と僕は言うと
「はい、そうしてください」と返してきた。
「そうだ、柊さんって、仕事したことあるんですか」
「もちろんあるよ、社会人野球にいて、大友ガスで仕事していたからね」
「彼女いたんですか」
「彼女はいなかったんだけど、けっこうちやほやされてね」
「やっぱり、もててたんですね。」
「まあね、ドラフトが決まった時なんか、プロ野球選手がんばってくださいっていろんな人にいわれたけど、」
「プロ野球選手になってさらにモテモテなんて、すごいね」
「いや、プロ野球選手はどこもちやほやされるんじゃないかな」
「可愛い子選びたい放題じゃないですか。うわ、その柔らかい微笑みで女の子はぶらかしてきたんでしょ。」
「いや、そんなことはないよ、僕は今、前村さんぐらいしか連絡取ってないよ」
「ほんとですか、後で連絡先見たとき、大量に女性の連絡先があったら怒りますよ」
「大丈夫だよ。今連絡先見る。」
「はい、見せてください。」
前村さんが、僕の携帯から連絡先を見ると
「あれ、ほんとに女の子の連絡先少ない」
と前村さんがいった。
「でしょ、プロ野球選手だから、ちやほやされてただけだで、」
「あれ、絶対もてるはずなのに」
と小さい声で前村さんは何かをつぶやいた。
前村さんとその日は駅前で別れた。
4月2日の火曜日 2軍の試合
北海道日本ワイルドボアーズの試合
3番、ショートのスタメンになった。
相手ピッチャーは146kmのストレートにスライダー、フォークを持っている。
1打席目、1回表2アウトランナーなしの場面、
相手のストレートに狙いを定めた。
相手ピッチャーが第1球を投げる。アウトコースにきたストレートをライト前に弾き返した。
真にあたった気持ちいい感触を感じながら、ファーストベースに向かった。
2軍初めてのヒットである。
2打席目、4回の表、ノーアウト1塁の場面で打席が回った。
さきほど、ストレートをライト前に弾き返したので、今回もストレートまち
1球目、低めのフォークボールを見逃し、1ボール
2球目、インコースのスライダーを見逃して、1ボール1ストライク
3級目のアウトコースのストレートを待ってましたと右方向に流すが
打球はファーストミットにおさまっていた。
3打席目、4打席目も凡退をして
今日は4打数1安打の成績になった。
試合は、3対7で敗れた。
合計8打数1安打、序盤なので焦らずにいく。
6日後の4月9日
僕は調子を落としていた。
ここまで、8試合やって
36打数3安打と絶不調。
工夫して、足の位置を変えたり、構えも少し変えてみたけどだめだった。
今日の試合、スタメンを落とされて、代打での出場となった。
2軍の公式戦でいまだに、3安打しか打っていない。
8回表に代打として呼ばれた僕は、ヒットを打ってやると力が入っていた。
相手ピッチャーは中継ぎの森である。
右打席に立った。2アウトランナーなし、。
1球目、真ん中高めのストレートをみのがした。
まっすぐのストレートが思ったより早く感じた。1ストライクとコールされる。
2球目のスライダーをひきつけて、逆方向に打つが、ファウルとなった。
3球目、フォークボールを空振りして。 1ボール2ストライク
4球目、カーブが投げられた。
早めに体が反応してしまいボールが来る前にスイングしてしまい空振り三振となった。
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