第18話

3月26日に、僕は監督から2軍行きが言い渡された。

2軍に帯同するために飛行機に乗って合流した。

ホテルに荷物をおいて、球場に向かう。

みんなが集まってきて、、2軍監督が指示をだす。

「これから、108試合の長丁場になるから、けがに気を付けるように

しっかり準備しろ。1軍に上がるために成績残してこい。」

と監督が激励の言葉を言う。

みんなは返事をして、守備練習に入っていく。

僕達、横浜ゴールデンウルフズはイースタンリーグに所属している。

守備練習では、池田コーチがシートノックをする。

みんなそつなくこなして、自分の番になった。

池田コーチがシュート回転のボールを僕からみて、右側に打つと、僕は逆シングルでとり、

ファーストへジャンピングスローをする、

しかし、暴投をして、1塁ベンチに入ってしまった。

それから、3回ぐらいミスをして、その日は練習が終わった。

守備ミス3回ぐらいだったら上出来だろうと思いホテルにつく。

何回もシートノックされるから、分母のほうが大きい。


3月30日になった。

いよいよ2軍の公式戦である。

小久保さんと、朝の食事で会った。

「おう、調子はどう」と小久保さんが言った。

「まあ、ぼちぼちかな」と返す。

「そういえば、合コンどうだった」

「けっこう話せて仲良くなりましたけど、喧嘩もしましたね」

「おう、よかったじゃないか」と小久保さんがパンを片手にしゃべった。

「今年のショートはライバル争いが多いから頑張れよ」と小久保さんが言う。

「いや、外野手も同じじゃないですか。てか、外野の高見さんと佐伯さんがいるから、

1軍で生き残るの大変ですよ」

「大丈夫、俺には守備があるから」と小久保さんがいう。

「2軍のショートのライバルの白里から、スタメン勝ち取ってこいよ」と言われた。

「そういえば、白里さんってプロ2年目ですよね、なんか情報ないんですか」

「まだ、プロ2年目だから、特出しているところはないけど、守備は安定しているな」

「守備が安定か」と僕は言った。

ショートはこのごろ次世代のショートが欲しいのかドラフトで取られている。

プロ1年目からプロ4年目で計4人いる。

その中で、安定して2軍で成績を残しているのが白里さんである。

「ショートの常田さんは34歳になるし、そろそろ本格的にショートをドラフトで取りに行くんじゃないかな」

「まじですか」と僕は言った。

「お互いがんばろう」そう言って、小久保さんは自分の部屋に帰っていった。


ミーティング室で2軍監督がスタメンを発表する。

「3番ショート、柊」と呼ばれて、僕は返事をした。

1軍でオープン戦を戦ってきたので、呼ばれるのは分かっていた。

「5番レフト、安藤」とどら1の安藤の名前が呼ばれた。

オープン戦で安藤は250と1軍でまずまずの成績を残していた。

新人選手で250打てたら充分だろうと思う。

僕は266なのだけどね。

「8番、センター小久保」と先輩のプロ野球選手では小柄な小久保が呼ばれる。

スターティングメンバーの発表が終わり、今度は相手の分析にはいる。

「相手は東京モモンガーズでピッチャーは、昨年2軍で防御率4点台の佐藤だ。

145kmのストレートと変化球5個もっているが、シュートとカーブがよく打たれているから、そこを狙うように」と2軍ピッチャーコーチが言った。


試合前の練習、バッティングで今日は調子が悪いことを悟る。

バッティングピッチャーが投げたど真ん中のストレートを内野フライにしてしまった。

いつものように打球があまり前に飛ばない。

打ってもセンターの定位置ぐらいまでであった。


試合が始まり、1回表に打順が回る。右打席に立つ。

1アウト1塁の場面、相手ピッチャーがオーバースローで投げてきた。

1球目、スライダーを空振り三振する

2球目のカットボールを振り遅れてバットにあたった。

打球はふらふらとファースト方向に上がり、ファーストが捕る。

1打席目は凡退だった。


2打席目は、3回表の1アウト1,2塁のチャンス出回ってきた。

相手の変化球のショートとカーブに狙いを定める。

さっきのミーティングで弱点と言われていた変化球だ。

1球目の高めのストレートを見逃す ストライクと宣告される

2球目の低めのアウトコースのストレートを見逃して 2ストライク

3級目カーブが来た、タイミングがずれて、空振り三振となった。


スコアは3対0で勝っている。

6回に入り打席が回ってくる。3打席目だ

どうやら、相手ピッチャーはカーブを昨年よりも改善したみたいで、

みんなカーブで空振りを取られる。

0アウトの先頭打者で回ってきた。

相手ピッチャーが1球目を投げる。インハイのストレートに手が出ずにストライクと宣告される。

2球目、アウトコースのボール球のスライダーを見極めて、1ボール1ストライク

それから、3球目、4球目も低めのボール球を見極めて、3ボール1ストライク

5球目のど真ん中のストレートと僕は見逃してしまい3ボール2ストライク

ここは、四球が取りたかったと思いながら、打席で構える。

6球目相手のカーブにバットがでるのが早すぎて空振り三振となった。

スコアは5対0で勝利となった。

今日の成績は4打数無安打となった。


ホテルにもどり、シャワーを浴びた。

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