第28話 ライブ成功
ライブの開演が迫る中、会場は徐々に観客で埋まっていった。観客のざわめきや期待感がひしひしと伝わってくる。準備が整った今、残るはステージでのパフォーマンスだけだ。
「さあ、いよいよね!」
ハルヒは満面の笑みで他のメンバーに声をかけた。さっきまでの不安はどこへやら、彼女の目には再び自信と情熱が宿っている。凛の手配のおかげで代替機材も無事に用意され、ステージは滞りなく進められることになった。
「凛がいなかったら、こんな風にライブを無事にできていなかっただろうな。」
俺は、感謝の気持ちを込めて舞台裏にいる凛を見た。彼女は控えめに微笑んでいたが、どこか誇らしげな表情をしていた。
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ステージが始まると、ハルヒと他のメンバーは一斉にエネルギッシュなパフォーマンスを披露した。凛の手配した機材も完璧に機能していて、音響や照明は申し分ない。観客はその見事な演出とパフォーマンスに魅了され、次第に一体感が生まれていった。
「みんな、盛り上がっていくわよ!」
ハルヒの掛け声とともに、観客はさらに熱気を帯び、会場全体が一つになっていく。
長門は冷静にキーボードを弾き、古泉も落ち着いた笑顔を浮かべながらパフォーマンスをサポート。朝比奈さんは緊張しつつも、観客の応援を受けて少しずつ笑顔を取り戻していった。
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ステージの最後、ハルヒはマイクを握り、力強く観客に語りかけた。
「今日は本当にありがとう!私たちSOSスターズは、これからも最高のステージを見せていくから、これからも応援してね!」
観客からは大きな歓声と拍手が沸き上がり、ステージの成功が確信された瞬間だった。
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ステージが終わり、舞台裏に戻ってきたメンバーたちは、汗だくになりながらも満足げな表情をしていた。
「やったわね、ハルヒ。これで次のステージも期待できるんじゃないか?」
俺が軽く声をかけると、ハルヒは勝ち誇ったように笑った。
「当然でしょ!これが私たちの力なんだから!でも、今回の成功は凛のおかげでもあるわね。」
そう言ってハルヒは凛の方に歩み寄り、感謝の気持ちを伝えた。
「本当にありがとう、凛。あなたのサポートがなければ、こんな風に成功できなかったわ。」
ハルヒは手を差し出し、凛は少し驚いたような表情を浮かべたが、すぐにその手を握り返した。
「いえ、私こそ皆さんのお役に立てて嬉しいです。それに、ステージを支えるのは私にとっても特別なことですから。」
凛の声は静かだったが、その言葉には確かな決意が感じられた。
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その後、凛はハルヒの提案で正式にSOSスターズのツアースタッフとしてサポートを続けることを決めた。彼女の手際の良さと経験が、ハルヒたちの全国ツアーをさらに強固なものにすることは間違いない。
「さあ、次はもっと大きな会場が待っているわよ!凛、これからもよろしくね!」
ハルヒは元気よく言い、凛も微笑みながら頷いた。
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次のステージに向けて、俺たちは再び前進を始めた。凛という新たな仲間を得て、SOSスターズはこれからも更なる高みを目指していく。次の挑戦が待っている中、俺はふと凛の背中を見つめながら、彼女が再び夢を見直す日が来るかもしれないと感じていた。
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