7-6
「お待たせ! 遅くなってごめんね、小鈴」
ちなみは
それは、対・
二号機は昨日の戦いで大破していたので、ちなみにはこの機体しか残されていなかった。しかし、残っていたのが一号機なのは不幸中の幸いでもあった。
この機体は、〈ニンウルタ〉のようなTGAクラス戦車級以上の敵を想定した
右手には三十ミリライフル砲。左手にはBAW-66グレネードランチャー。背にはL10 REBAT百五十二ミリ
頭部は
まさしく、
今までちなみが使用したどの武装構成よりも火力が高い反面、〈ヴェスパ〉の
『ボクだちが戦うメリットはありません。いずれにせよ、ボクとシャオリンの契約は
〈ザミエル〉が問いかけてきた。
「でも、私が得意なのはこれしかないから。いつも通りやるだけだよ」
『……わかりました。それでは、きみの本当の実力を見せてください』
ちなみは最後に自分の身体に問題がないか確認する。
髪はぼさぼさで、泣きはらした目は赤くなっていて、
見た目は最悪だけど、それ以外は大丈夫そうだ。
ちなみはその
「まかして」
言い終わるや
〈ヴェスパ〉が左手に構えたグレネードランチャーから、三発の六十六ミリ
「よし、これはダメ!」
『“ハルファス”』
ちなみがグレネードランチャーを
マスケットが発射された。
ジグザグに走る〈ヴェスパ〉を追って、次々と赤い
――まずは敵の戦闘力を
ちなみはひらりひらりと熱線を
「うそ!?」
〈ザミエル〉の片手剣が
「そんなのあり!?」
〈ヴェスパ〉がその場から
飛んできたホールの
〈ヴェスパ〉が左手に
赤い火線が
マスケット銃が
ちなみは右へ左へと機体を
『
『
『
『
『
この中で一番
「よーし!」
――だったら、まずは『アイム』から破壊する!
ちなみの
ライフル砲が火を
〈ザミエル〉が
――今だ。
剣を振り切った
それでいい。
その左肩を
『させませんよ』
「いや――」
言いながら、ちなみは
「こっちが本命っ!」
ガトリングが火を
宙を舞った状態で、〈ヴェスパ〉がガトリング砲を
『――!』
一回転した〈ヴェスパ〉が着地する。
そこへ、炎が消えて
「あぶな……っ!」
ペダルを
〈ヴェスパ〉が
それは熱線ではなくなっていた。しかし、発射された弾丸は一発一発が
回避行動を取りつつ、背中からL10
〈ザミエル〉が翼を広げて飛び、体育館の屋根の上に着地する。
次に
「でもなあ……!」
敵に決定的なダメージを与えるためには、まず『ダンタリオン』をどうにかするしかない。しかし、『ダンタリオン』を破壊するためには、『
マスケットの銃撃をかわす。
〈ザミエル〉が接近する。
このままでは良くて
――本当に?
ちなみの腕と脚が動く。思考と同時に機体を進ませる。
『
もし、その呪いすらも
「……っ!」
もう時間がない。〈ザミエル〉は目と鼻の先だ。
呪いの発生は
その行動だけに集中する。
マスケットの弾丸が左ももの一部を
それらを無視して、集中する。
事象の流れを
「――みえた!」
スローモーションだった世界が通常時間に
ジャンプした〈ヴェスパ〉が、それを完全に回避した。
必中のはずの『アンドラス』は、ちなみの機体にかすりもしなかった。
『まさか……!?』
悪魔の声が、初めて
超
発射。
巨大な砲弾が〈ザミエル〉にヒットすると、
「……ぁ」
その一瞬、ちなみの集中力がわずかに
避けることのできない攻撃を避けたのだから、それも当然のことだっただろう。
しかし、それは
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〈近況ノートにて機体やキャラの設定イラストを公開中です〉
・ヴェスパ(決戦仕様)
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