7-5
人のいない住宅街を、
〈イフェイオン・ヴォイド〉。
小鈴はその
「ちなみちゃん、遅すぎっ!」
『ここまで
そう言った〈ザミエル〉が左手を
『
〈ザミエル〉は左手で小鈴の攻撃を防ぎつつ、
本来の〈イフェイオン〉であれば、こんな
槍を一本取り出すのにも、小鈴の生命力を
また、『ヴォイド』とは『がらんどう』という意味である。
元々の〈イフェイオン〉は悪魔が主体となって構成されていたが、〈イフェイオン・ヴォイド〉はそうではない。そこにいるべき悪魔がおらず、
「かっこいいでしょ、この名前っ!」
〈イフェイオン〉が地面に手をついて、〈ザミエル〉の
「うわ!?」
〈ザミエル〉が連射される槍を左手で
「ひぃ~っ!?」
悲鳴をあげた小鈴がその場で
同時に全てのマスケットが
「ぐううぅ……っ!」
逃げ出したいのをこらえて槍を発生させ続ける。
無数の槍に
小鈴は本来、
さっきは、子供みたいにわんわん泣くちなみを前にして調子に乗ってしまい、思わず
約束は果たせないかもしれない。
小鈴は今も弱気だった。
けれど。
ちなみの心が折れていく
アゼリ神父との戦いで、彼女は小鈴を
そういうわけで、小鈴はなけなしの勇気を
〈ザミエル〉が翼を広げ、急降下してくる。
小鈴はバックステップを
〈ザミエル〉が
「
小鈴が
マスケットの
ラウンドシールドに六本の
「わあああっ!?」
その
何度か地面をバウンドし、ようやく躯体が止まってくれた。パニックになりそうな頭を振って、できるだけ素早く立ち上がる。そこはテニスコートのようだった。小鈴は
空中から〈ザミエル〉が
――まだだ。まだ
足元に影が落ち、
昨日、アゼリ神父に
多分、悪魔が小鈴の記憶をいじって、その
「ふう――」
深く息を
ゆっくりと地面に降り立った〈ザミエル〉が、
「……よし、来るならこい!」
言った
小鈴が繰り出した槍は、
〈イフェイオン〉は次から次へと新しい槍を出現させ、二本の槍をぐるぐると振り回しながら〈ザミエル〉と切り結んだ。
小鈴には、ちなみのような
これはただの
『さすがはシャオリンです。ここまでよく頑張りましたね』
そう言った〈ザミエル〉が刃を振るい、〈イフェイオン〉の左腕が
「まだ――!」
バックステップを踏み、右の
「もう、ちょっと……っ!」
〈イフェイオン〉が右拳を
「~~っ!?」
悲鳴をあげながら〈イフェイオン〉が吹っ飛んだ。
「うぁ……ぅ……」
視界が
しかし、小鈴は口の
一つ
けれど、穂高ちなみは普通の人間じゃない。
意識を失う
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〈近況ノートにて機体やキャラの設定イラストを公開中です〉
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