第四章 ぎくしゃくオーバーテクノロジー
4-1
『ボクと
そう声をかけられて、小さな女の子が
『ボクときみは似ている。お互いに、このままでは存在を
シャオリン。
それが女の子の名前だった。
彼女はお腹がすいていた。それにとても寒かった。もう動いて親を探す
『これから話すのが、
その説明は、彼女にとって難しかった。ただ、この苦しい
「うん、いいよ」
女の子がこくりと頷く。
『
*****
シャオリンと悪霊――『
シャオリンは黒いボールを抱え、人気のない
「それでね、ダニーが言ったんだよ。『お前みたいなのがいるから、ウチのチームはナメられるんだ』って。そしたらもう、ライアンはぶちギレ。顔を真っ赤にした二人が教室で大ゲンカを始めてね、シャオリンはダニーが勝つ方に
けらけらと笑いながら、シャオリンが学校で起きた
そうして数分歩いたところで、悪魔がこんなことを言い出した。
『止まってください。少しまずいことになりました』
「どうしたの?」
言われた通り、シャオリンがその場で止まった。
ふと
「――え」
それがゆっくりと
『追ってきます。走って。近くの公園まで逃げてください』
「……わかった!」
シャオリンが身を
「なにあれ、お化け!?」
後ろを振り向いて追いつかれていないことを確認しながら、シャオリンが聞いた。
さっきの人型は、歴史の教科書に載っている中世の
『恐らく、ボクとシャオリンの
「そんなのイヤだよっ」
公園に駆け込んだシャオリンは、
シャオリンは悪魔のことを秘密にしていた。悪魔は
騎士の形をした
シャオリンはがたがたと
『安心してください。アレを追い返す方法はあります』
悪魔が言った。
「どういうこと?」
『”
「わ……!」
『これは
聞き
悪魔の言うことはいつも正しい。親のいないシャオリンが学校に行けて、友達もできて、こんなに楽しく
「……わかった!」
そう返事をすると、巨人の背中がばくりと
*****
「おお~」
ちなみが
目の前に置かれているのは、この前の戦いで
どちらもオレンジ色に塗装されており、本体性能はほぼ同じ。しかし、それでいて武装構成は全く
いつもの機体、『一号機』は、〈ニンウルタ〉と戦ったときと同じ装備。
新しい方の機体、『二号機』は、右腕の
右腕がガトリング砲になった〈ヴェスパ〉など、
〈ニンウルタ〉との戦闘を
「見て、小鈴! めっちゃいい感じ!」
しかし、スツールの上に体育座りしながらスマホゲームをプレイしている小鈴は、ちなみを完全に
「ねえねえ、小鈴ぅ~」
ちなみは小鈴の後ろに回り込み、彼女の両肩を
「小鈴さん? もしもーし」
いつもなら『うるさい』とか『うっとおしい』と言って
「ねえ、なんか怒ってる?」
小鈴の目の前にしゃがみこんだちなみが、スマホをどけて下からじっと
「別に」
とだけ言った。
「ぜったい怒ってる……」
「怒ってない」
「でもさ、なんかいつもと違くない?」
「違くない」
「じゃあどっか遊びに行こ!」
「行かない」
「え~……」
取り付く
『シャオリンは
「拗ねてる? なんで?」
ちなみがそう聞くと、小鈴は死んだ魚の目でスマホを見つめながらぶつぶつ
「はいはい。どうせ小鈴は
「……なんでこんな風になっちゃったの!?」
『ヴェスパの二機目を
「えっ、なんで……?」
恐る恐る
「うんうん、わかるよ。だってちなみちゃんは強いもんね。ヴェスパの二機目なんて
「待って、そんなつもりじゃなくて――」
「最近ちなみちゃんが
「そ、それは……えっとぉ……」
数日前、
ちなみの部屋の勉強机には、
「小鈴だってもっとゲーム買いたいし欲しい
「小鈴ぅ~~っ!」
そう言いながら、ちなみが小鈴に泣きついた。しかし、その日は
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