第4話

妹が母親を抑えているように見えた。

状況が全く分からず周りを見渡してみると、海が見えた。

車は海の目の前で停まっていて、母親は「ごめんね、ごめんね」と言いながらずっと泣いていた。

僕は母親のこの姿を見て、あぁこの人は心中するつもりだったんだと思った。

きっと限界だったのだろう。

だから最後くらい楽しい思いをさせてあげようとしたのだろう。

そんなことを思いながら、泣いている2人を見ていた。


「とまぁ、こんな思い出話でしたけどどうでしたか?」

と感想を聞いてみた。

「ごめん、何とも言えないわ。」

「生きてて良かったね」等、同情されてしまった。

何か自分だけ別の意味の怖い話になってしまったか。

まぁ、仕方ないか。

反省をし、その後も怪談話や恐怖体験が話され、合宿最後の夜は更けていった。






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幼き頃の思い出 @satogo

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