10. 捨てるべきもの三箇条(3)必然性を最優先しない

  ①完璧主義を捨てる

  ②リアル至上主義にとらわれない

  ③必然性を最優先しない


 心構えの三つめです。



③必然性を最優先しない


 これは前項にも関連する問題です。

 例えば、意気込んで一つの作品を書いたとします。



 「この話って、舞台が異世界でなきゃいけない必然性ある?」

 「このカップル、女同士じゃなくても成立するだろ」

 「このヒロインは品乳な設定じゃないとダメなの?」


 こういった意見を言われた、あるいは自分の中に疑問が生じても、みだりに従ってはいけません。それは作品や作者の個性を潰す行為です。


 「◯◯はこうでなければいけない」といった必然性など、フィクションには存在しません。

 ですから、こう返答してやるのです。



 「現実でも異世界でも成立する普遍的なテーマですよ」

 「逆に男女カップルにこだわる必然性ありますか?」

 「オレは品乳が好きなんだよ!! 文句あるか!!」


 あくまで自分を押し通しましょう。



 ルポではなく創作なのですから、何を書いたっていいのです。どんなテーマやモチーフを選ぼうが自由、作者の選択こそが最優先です。

 無数にある可能性の中からその組み合わせを選び取った、自分の好みとセンスを信じましょう。信念のない作者・作品に読者は付いて来ません。


 眼鏡カップルでも、デカ女でも、ガチムチ受けでも、好きなものは堂々と発信していくべきです。書かない作家はただの妄想家にすぎません。行動を優先させましょう。辻褄つじつま合わせなんて、書いた後からいくらでも可能なのですから。



 これは私の「読者としての」個人的な意見ですが、他人から提示されたお題や規定に沿って作られた作品よりも、作者自身が好きなものを自発的に書いた作品の方を読んでみたいです。


 本来、創作とは何物にも縛られるべきであってはならないと思います。

 せっかくWEB小説という自由に書ける場なのですから――公の場における最低限の配慮は必要として――作家としての創造性を第一に押し出していく方が有意義ではないかと感じます。

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