40.お買い物

■40.おもの


 結局けっきょく日曜日にちようび午後ごごは、もり探索たんさくをしてゴブリンを3びき仕留しとめた。

 あとはサトイモ、ウスベニタケなどをすこ確保かくほして探索たんさくえた。


 よる料理りょうり野草やそうにくおおめのレパートリーで先週せんしゅうおなかんじだろうか。


 そうして月曜日げつようび


 あさはんべて、ラニアをれてきてから、ドリドン雑貨店ざっかてんかった。


「ドリドンさん、どうですか?」

「あぁ、ジャムはすこしだけのこっているがほぼ完売かんばいだな。たかいがかずおおくないからひとがいればすぐれてしまうな」

「そうですか」

すこのこってるが、清算せいさんしていくかい? れるのは確実かくじつだし、今日きょうでも問題もんだいないよ」

「じゃあ、おねがいします」


 ということでノイチゴと完熟かんじゅくブドウのジャムを清算せいさんする。


 ノイチゴ 20 5,000ダリル 金貨きんかじゅうまい

 ブドウ  10 6,000ダリル 金貨きんかろくまい


「えっと両方りょうほうわせて金貨きんか十六じゅうろくまいだね」

「ありがとうございます」


 へへぇ、とあたまげて両手りょうて金貨きんかる。


「じゃあおれとミーニャで金貨きんかじゅうまい、ラニアに金貨きんかろくまいでいいかな?」

「あっ、でも」

「いいのいいの、でははいどうぞ」


 ラニアに金貨きんかろくまいわたす。

 おれたちもずいぶんかせぐようになったものだ。

 もっともジャムは季節きせつもので臨時りんじ収入しゅうにゅうなので、これで生活せいかつするというのはむずかしい。

 とくふゆはジャムにできる果物くだものとかもすくない。


 あくまでボーナスであってこれは給料きゅうりょう換算かんさんしちゃだめだ。


「それじゃあ、ギルドこうか」

「はい」

魔石ませきまってきましたものね」

「うん」


 いつぞやのスライムとかゴブリンの魔石ませき換金かんきんのものがいくらかあった。


 東門ひがしもんとおってトライエ市内しないはいる。


 ついこのまえまでは雑用ざつようのアルバイトをするために毎日まいにちのように市内しない徘徊はいかいしていたが、あれはいまおもえば徒労とろうだった。

 スラムのにさせてくれる仕事しごとなんて非常ひじょうやすいかキツいかのどっちかと相場そうばまっていた。

 実質的じっしつてき子供こどものお小遣こづか程度ていどのもので、仕事しごととすら認識にんしきされているかあやしいところがあった。


 みちあるいて様子ようすると、そういう井戸いどちかくで洗濯せんたくや、はこびなどの雑用ざつようでこき使つかわれているのも何度なんど目撃もくげきする。


 もっと単価たんかたか仕事しごと斡旋あっせんしてあげたい気持きもちも皆無かいむではないけど、かれらにはかれらの仕事しごとがあるし、しつけがましいのもこのみではない。

 仕事しごと斡旋あっせん、それも安定あんていしているものとなるとまだまだおれなんかではたいしておもいつかない。

 たかくて安定あんていした仕事しごとがあるならおれ紹介しょうかいしてほしいくらいだ。


 冒険者ぼうけんしゃギルドに到着とうちゃくする。

 いつものようにカウベルがる。


 なんだかなつかしいかんじがするし安心あんしんする。


 そうして受付嬢うけつけじょう、まあいつも世話せわになっているしエルフのおねえさんのところにならぶ。

 ならぶといってもひるちかくなので2、3にんだ。


「はい、おちどおさまです。エルフさま


 エルフさまであるミーニャもすこしはれてきたのか、うなずいて返事へんじをした。


魔石ませき換金かんきんを」

「はいっ、すぐ処理しょりいたします」


 きびきびと事務じむ処理しょりをしてもらう。

 こういう事務じむってもうすこ簡略かんりゃくとか、ささっとできないのだろうか。

 お役所やくしょ仕事しごと大変たいへんだ。


 そうして金貨きんか一枚いちまい銀貨ぎんかすうまいいただいた。

 ジャムが金貨きんかなので感覚かんかくがおかしくなってしまいそうだが、これくらいなら銀貨ぎんか普通ふつうだ。


「ご利用りよう、ありがとうございました」

「こちらこそ、ありがとう」


 受付嬢うけつけじょうのエルフのおねえさんにおれいって、よこのいつもの売店ばいてんかった。



「さて、今日きょう本題ほんだい防具ぼうぐおう。あとしければふく

「やったっ」

「わかりました」


 そうして陳列ちんれつされている防具ぼうぐなどをまわる。


 一応いちおうおさらい。

 おれざつなシャツと七分丈しちぶたけのズボン。

 ミーニャは普通ふつう膝丈ひざたけのワンピースだ。いろ茶色ちゃいろ。これが一番いちばんやすい。

 そしてラニアはあおしろのワンピースで、お貴族きぞくさまのおさがりだ。

 魔法まほう付与ふよぶつ攻撃こうげき魔法まほうアップのエンチャントがかっている。

 ただ防御ぼうぎょアップではないので防具ぼうぐとしてはよわい。

 生地きじからしてちがうのでおれたちの中古ちゅうこふくよりはつよい。

 これはラニアの一張羅いっちょうらなので、もりくときにはほぼている。


 武器ぶきもそこそこたかいが、防具ぼうぐもかなりのお値段ねだんだ。

 子供こどもようちいさいぶんやすいはずなのだが、実際じっさいところはあまりちがいはない。

 生地きじ素材そざいすくなくむが、手間てままったおなじなので、これはしょうがない。


 異世界いせかい主流しゅりゅう家内かないせい手工業しゅこうぎょうでは加工賃かこうちんやすくなる理由りゆうがない。


「まずはミーニャのふくだな」

「にゃっ」


 ミーニャがみみさきまでピンとばして、かおあかくした。


「エドがえらんでくれるの?」

「え、自分じぶんきなのえらんでいいよ」

「そ、そっか、うん。わかった」


 くそたかいドレスとかは最初さいしょからわないだろうから大丈夫だいじょうぶだろう。

 なぜかある子供服こどもふくコーナーをじろじろている。

 かずはそれほどおおくはないが、それなりのものがそろっているようだ。


 すべて中古服ちゅうこふくのようで値段ねだんたかくはない。


「このへん貴族きぞくさま商人しょうにんのおさんのおさがりがおおいですね」


 店員てんいんのおねえさんが説明せつめいしてくれる。

 なるほど、そういう流通りゅうつうルートがあるのね。


「んにゃ、これにする!」


 ミーニャがえらんだのは薄緑うすみどりみどりのアクセントがはいったワンピースだ。

 おんなはほとんどオールシーズンようのワンピースなのである。

 いろとかは割合わりあいいろいろある。

 そして貧乏人びんぼうにん量産りょうさんひん茶色ちゃいろいったくなので、いろがついているだけでも、十分じゅうぶんいいふくなのだ。


 ミーニャがそのへん着替きがえてせてくれる。

 試着しちゃくしつとかいう便利べんりなものはない。

 いや、よくるとこうのすみのほうにある。

 本人ほんにんはまったくにしていないからいいか。


 このへん感覚かんかくたりまえだけど現代人げんだいじんとはまったことなる。


「うんうん、似合にあってるよ」

「やったっ」


 さて今度こんど本命ほんめい防具ぼうぐだ。

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