第10話 子雲のダンス
ミカちゃんはあわてて、他の引き出しも開けていく。
でも、
そこへ、ショウタ君の声が聞こえた。
「お姉ちゃん、チビのカミナリが……」
驚いたミカちゃんが、反射的に振り返る。
「 あ、待って待って!」
あせったミカちゃんは、ショウタ君のオモチャ箱に足をひっかけて、転んでしまった。
床に、たくさんのおもちゃが転がっている。
その中に、おもちゃじゃないものがひとつ。
「あ、
ミカちゃんはあわてて
ミカちゃん、やったじゃない。
あんたは偉い。
ショウタ君もうれしそうに、
「あ、明かりがついたぁ」
とよろこんでいる。
ミカちゃんは慌てて、後ろを振りかえった。
でも、カミナリはほとんど出ていない。
ミカちゃんが慌てて、
「チビ、もう
て言うと、
「あッ……」
でも、
床に下りた
寝息が聞こえてきそう。
スヤスヤ、というより、ヒューピー、ヒューピー、て感じかな。
ショウタ君か心配そうに、
「お姉ちゃん、チビ
と
すると、ミカちゃんが、
「うん、ちょっと疲れただけよ」
と笑顔で答えた。
温かな明かりに見守られながら、
気持ちよさそう。
今まで気づかなかったけど、明かりって、お母さんの温かさに
それから、ミカちゃんとショウタ君は、しばらくの間、
チビ、よくがんばったもんね。
あんたもえらい。
きっと、ミカちゃんとショウタ君も同じ気持ちなんだと思うわ。
でも、そこはまだ5歳のショウタ君、タイクツで
「お姉ちゃん、チビはいつまで寝てるのぉ?」
「さあね……」
いくらお姉さんだからって、そこまではわからないわよね。
「面白くないよぉ」
ショウタ君は口をとがらせている。
「あ、そうだ」
なにかを思いついたミカちゃんは、おもちゃのピアノを取りだした。
そして、知っている童謡を片手で弾き始めた。
そう、ミカちゃんはピアノを習っているの。
『あら、あんた、起きてたの?』
目を
その内、じっとしていられないって感じで、宙に浮き、楽しそうに踊りだす子雲。
え?
ん~……。
なんて言ったらいいのかなぁ……?
可愛いけど、ちょっとおかしいの。
ていうか、すごくおかしいの。
笑っちゃうくらい。
だって、どこが頭で、どこが体かよくわからないでしょ。
一部が出っ張ったかと思うと、他の部分が引っ込んじゃったりして……。
ただ、モゴモゴと動いてるって感じなの。
でも、
だって、また
お願いよ。
それから、しばらくの間、ショウタ君と
小説『晴れ ときどき クラウディ・ベイビー ~ 幼い姉弟と子供部屋にやってきた子雲の物語~』 @mayonakataiyou
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