第72話 『072 回復薬が完成』

『072 回復薬が完成』


「これは伝説っていうから、全回復するのかな」


「完全回復でしょう。下級回復薬だと体力の半分よりも少ない。中級、上級になると回復量も増える。伝説になると体力、魔力もだし、パーティーメンバーにも回復させるでしょうね」


「私も初めて見る」


「うん、伝説級の回復薬は、見たものは少ないでしょうね」


「この森に薬草があったのすら知られていないから」


「凄いアイテムになったな。もしかして町でこれを購入すると、相当に高いよね?」


 俺が何気なく聞いてみる。


 別に儲けようとかじゃないです。


「めっちゃめっちゃ高いです。町には行ったことはないけど、めったに存在しませんから、最高ランクの冒険者パーティーが難関ダンジョンに行くときに購入するようなアイテムかな。たぶんこれ一本で町を買える金額でしょう」


「町を!!」


 町って買う金額は知らないが、途方もない金額だよな。


 これを持っているだけで、最強パーティーと同じアイテム水準てことか。


「エルミさ、回復薬にしたのはいいが、薬草はもうないの?」


「いいえ、半分残っている。ユウタが牧場で増やすかもだし、残しておいた」


「牧場に植えたら?」


「そうだな。植えてみようか」


 エルミから残りの薬草を受けとる。


 牧場用に少し残していてくれたのは良かった。


 少しでもあれば牧場の土地に植えられるからな。


 まあ薬草が生えてくるかは、わからないがやってみよう。


 他にも薬草は持ち帰っていて、下級、中級、上級の薬草で、どれも回復薬の薬草だった。


 この薬草を植えればいいのか。


 でも牧場で異常に増えているのは、みんなドライフードを食べているイノシシとかだから、薬草が増えるのかは微妙かな。


 牧場で現在なにもない土地に伝説の薬草と、下級、中級、上級薬草を植えた。


 土を軽く掘ってから植える。


 農業というよりも家庭菜園っぽい感じで植えてみた。


 ほとんどやったことがないから、本当に軽く掘って植えただけです。


 水も必要だし、水路から水を少し運んで水分を与えるのもやった。


 ここでドライフードの出番か。


 ドライフードを出して、薬草を植えた辺りの土の中に入れてみた。


 菜園でも土に栄養を与えるのは知っているから、栄養として吸収してくれるのを期待か。


 食べるのではないから、効果があるのか日にちが経って判明するだろう。


 何でもドライフードに頼るのも良くないのかもだが、一応土にドライフードをやった。


「植えてみた。それとドライフードも土に入れた」


「マンゴーランドはどうしているの、植物ですよね?」


「マンゴーランドはドライフードを直接食べている。口があるんで」


「薬草は食べられないから、どうなんだろうね」


「まあ、植えていれば、そのうち成長するかもと、気長に待てばいいよ。ユウタは気長だから」


「俺って気長なの?」


 エルフ族からは俺は気長らしい。


 薬草を植えて牧場がまたも拡大されて、今後に期待感が持てるので楽しみになった。


 植えた辺りに、シロが来てクンクンと匂いを嗅いでいるが、食べないよな。


 日本の猫は草を食べるのを見たことがあるから、注意しておこう。


 犬みたいにオシッコをすることはないと思うけど、念の為です。


 牧場には魔物が来て育成が開始され、今度は農園、農場の要素も追加されつつあるのは、面白いかな。


 農場もスローライフでは定番であるし、興味はあり、薬草がもし育つようなら農場も面白そうだ。

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