第71話 『071 アイテムを調合』

『071 アイテムを調合』


「完成しました」


「ご苦労様、オガーナ」


「オガーナ、ありがとう」


「オガーナ、休憩しなさいよ」


「うん、休憩します」

 

 みんなからオガーナは感謝され、俺も感謝の言葉をかけた。


 休憩してもらうのがいいよな。


 コカトリスの牧場は完成して、自由に動いているのを見ていて、楽しみが増えた。


 森に行ったのは薬草を取る為だったから、予想外の収穫とも言えて、これが森の魅力でもあるし、一歩間違えると大変な危機になっていた。


 目的であった薬草であるが、エルサに確認すると、やはり伝説の薬草らしく、超レアな薬草だと確定となって、エルフ族に見せていた。


「伝説の薬草です」


「エルサ、さすがです。後はエルミに渡して調合してもらいなさい」


「エルミ、任せます。よろしく」


「調合します。なんか伝説の薬草と聞くと緊張感ある」


「いつも通りに調合やればいいのよ。エルミならできます」


「うん」


 なんだかエルと会話しているけども、エルミに薬草を渡しているから、エルミが何ををする様子が見てとれるも、俺にはまだわからないかな。


 調合とか話している。


 調合と聞くと薬を調合するイメージではある。


 薬剤師もやってるのかな。


 それをエルミがやると言う。


「エルミは薬草を受け取ってどうするの?」


「まだユウタには言ってなかったか、私は薬草の調合スキルがあります。簡単に言うとエルサが採取してきた薬草を薬に作れるって言えばいいかな」


「なるほど薬が作れるスキルがあるなら、面白いな。牧場で作れるのかな」


「道具は持っているんで大丈夫です」


「見ているよ」


 本当に調合できるらしい。


 異世界だし魔法のある世界だから、何が起きても驚きはないが、ありがたい。


 エルミが調合を開始するのを俺はじっと見ていて、まずは調合の道具を持って来てから開始となる。


 道具は薬草を入れるお皿が複数ある。


 薬草を皿に入れてから棒で潰していき、薬草の形が変化していくと、液状っぽくもなった。


 これを他の粉と混ぜているけど、俺には専門的すぎてわからないから、口ははさまない方がいいだろう。


 俺はじっとエルミの作業を見守ると。


「ねえ、ユウタ、恥ずかしいよ」


「えっと、何が恥ずかしい?」


 エルミは手を止めて恥ずかしそうに言った。


 何が恥ずかしいのか。


「私をじっと見つめるから」


「いやっ俺は、見つめていたとは違うんだが」


「もう、ユウタ。エルミの邪魔しないで」


「そうです。調合は真剣にやっている作業。極めて細かい作業のよ。エルミが失敗したらどうするのよ」


「俺は作業に興味があっただけなんだが」


 どうやらエルミが照れているのは、俺の視線だったようだ。


 別にそんな風に見ていたのとは違うんだが、エルや他のエルフ族から邪魔するなと注意される。


 あまり見ないようにする。


 それから時間がたつとエルミは作業を止める。


 ガラスの瓶に液体が入っていて完成した。


「完成しました。伝説の回復薬です。エルサが採取した伝説の薬草を使い、瓶に入れました」


「回復薬は瓶に入れるものなのかな。俺は初めて見た」


 マンガっぽいな。


 マンガに出てくる回復薬に似ているのは偶然か。


 一度は飲んでみたい欲求があるな。


 たぶんRPGゲーム好きな人は絶対に思っただろう。


「瓶に入れるのが一般的です。体力が減少した時、疲労した時に飲んで体力が回復する。効果は薬草によって違います」


 なるほど、効果にはランクがあって、効き目が違うのはマンガやゲームと同じだ。


 効果が少ない下級は一般的で、中級や上級になると効果が上がる。


 それが調合したのは伝説級というから、みんなの注目が集まるのだった。

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