第67話 『067 エルサと採取に向かう』

『067 エルサと採取に向かう』


 やっぱり風呂は気持ちいいな。


 ポカポカして、さっぱりした。


 バスタオルは蜘蛛族のクモールラのスキルで作ったタオルがあるから全身を拭いてもらう。


 自分でも拭けるけど、エルサ、エルミ、エルカが丁寧に水分を取ってくれた。


 自分でも拭けるけどな。


「ありがとう」


「ユウタさ、今日は私達は森に草を採取に行くけど、一緒に来てよ」


「草を。どんな草かな?」


「エルサは草を採取できるスキルがあるのよ。だから牧場でも有効な草が採取できるかな」


「草を採取か、面白いな。行ってみたい」


「行きましょう」


 風呂上がりに森へ探索へ誘われて行くと決めた。


 エルフ族エルサが採取スキルがあるそうで、面白しそうだ。


 行くメンバーはタオルで体をふいてくれたエルサ、エルミ、エルカだ。


 牧場に残る人には、森に行くと告げて出発とした。


 エルからはエルカは攻撃能力が高いから心配はないとのこと。












 牧場から森へ出発する。


 今日はエルは牧場にいてもらう。


「エルサ、頑張ってね」


「うん、行ってきます」


 エルに挨拶をした。


 森は危険なのはあるものの、俺の知らない草も存在しているようだ。


 雑草にしか見えないけど、効能のある草もあるらしい。


「ユウタに教えます。草には薬草と言って、使うと効能がある草もあるの。その薬草を取りに行く」


「俺と会う前から取っていたのかい?」


「はい、エルフ族は森の種族と呼ばれます。なぜかと言うと草や木や花と生きてきたからです」


「エルサには採取スキルがあって、薬草を発見できるのよ」


「エルサに進む道は任せるよ」


「俺はわからないから任せるよ」


 森の方向はエルサに任せて進む。


 たぶん、まだ来たことのない地域に入って行くと、草が大量に生えている。


 雑草みたいだが、日本でもハーブには効能があるので有名だった。


 ハーブティーとして飲むと、薬のように効能がある。


 ペパーミントは痛みが取れるとあったし、ローズヒップは美容にいいとあった。


 種類によって効能がある。


 日本でも人気だったが、森で採取できる草が、どんなのか様子を見る。


 俺の判断で採取はできないのは、草の中には毒のある草も存在している可能性もあるから、採取はしないようにした。


 この前は魔王バチも突然に遭遇したし、何があるかわからない緊張感がある。


 エルサが急に立ち止まる。


「エルサ?」


「薬草発見です!」


「何かな、俺には普通の草にしか見えないけど」


 雑草ですよね。


「ユウタには同じに見えても私には違う。これは回復の薬草だわ」


 エルサは回復の薬草を取った。


 どう見てもただの雑草だよな。


 これが回復の薬草なのか。


「回復というと回復薬になるのかな。草の成分で」


「草を調合します。すると回復薬になる。食べてもだめよ。ユウタは食べそうだから」


「食べませんよ」


 俺を草食動物と思っているのか。


「珍しい回復の薬草です。普通の薬草とは違うかな」


「回復の薬草にも種類があるとか?」


「はい、効果の違いがあるのよね。私の知識だと、これは、もしかして」


「なによエルサ。エルサにもわからないなんて珍しい」


「うん、いつもと違うエルサの様子が。手が震えているわ」


「だって初めて見る薬草。これって、これって、待って、待って、待って、伝説種の薬草かしら!!」


 えっ、伝説種です?


 雑草に伝説とかあるのか。


 エルサの様子は明らかに変です。


 テンションが上がっていて、普段見たことのない様子だった。

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