第65話 『065 ハチミツを試食』

『065 ハチミツを試食』


 今日は牧場の様子を確認する。


 牧場の世話に休日はない。


 毎日必ず仕事をしていくのが大事になって、ドライフードを各牧場の魔物に配った。


 日本の農民や牧畜の仕事をしている人は見たことなかった。


 ドライフードがあるから楽にできるが、日本にはユニークスキルは存在しないから、どれだけ牧場の仕事が大変なのかと思ってしまう。


 大変なのと逆に楽しみも感じる。


 イノシシも順調に増えたかな。


 食べれば減るから、牧場で増やしつつ、また捕獲に行くとする。


 マンゴーランドも子供ができて、成長しているな。


 とても美味しいし、数を増やすのもしたい。


 ナメタケンも増えていて、もっと増やさないとなくなってしまうくらいに、食べている。


 需要に追い付かないから、早急に捕獲が必要だな。


 日本ではキノコは焼いて美味しいく、値段も手頃なので、庶民の好きな食材。


 俺も大好き。


 キノコであるナメタケンの増産も計画しつつ、最近になってできた牧場の魔王バチを見る。


 木材を置いてあるから、ハチミツができるのを期待している最中。


 はたして経過はどうかな。


「ハチミツはどうかな、あれ、もうあるぞ!」


「ユウタ、それハチミツですよ。私はハチミツが好きです。味見しても大丈夫?」


「エルが味見したいならどうぞ」


「甘い!」


「甘いな! これが魔王バチのハチミツか」


 すごく濃厚で甘い。


 びっくりした。


 パンに塗って食べたい衝動になるのを抑える。


 絶対に焼いたパンに合う。


 想像を遥かに超えた味わいだった。


「みんなにも食べさせたい」


「うん、呼んでこよう」


 エルは絶賛してエルフ族も呼ぶ。


 オガーナと蜘蛛族とドワーフ族も集まってもらい、ハチミツを試食してもらう。


 みんなハチミツは好きで、味見をした。


 料理担当のオガーナが、


「これが魔王バチのハチミツ、なんて濃厚なんです!」


「素晴らしいです。蜘蛛族が食べてきたハチミツとは次元が違います。魔王バチは伝説のハチ。姿をみるのもめったにないハチです」


「甘いです。採掘で疲れた時に持っていきたいわ。体力回復する」


「ドワーネ達がダンジョンに行くときに持っていくといい。疲労回復にいいだろう」


「でもまだ少ないわね。直ぐになくなっちゃう」


「増産しよう。魔王バチに増産してもらう」


 ハチミツが予想以上に評判で良かった。


 俺も本当に美味しいと思ったし、疲労回復にいいだろうから、ドワーネに持たせたい。


 しかしまだ少量しか生産できていないのが現状で、ハチミツを作るのに時間がかかるようだ。


 牧場から出て花から蜜を集めるのは大変な作業だと思った。


 時間がかかるのは当然だな。


 魔王バチにドライフードを与えておいた。


 ありがとうの意味を込めて。


 そして増産のお願いをした。


 魔王バチが理解してくれたら嬉しい。


 増産するには魔王バチが増えるのも必須だろう。


 子供が繁殖してくれたらいいな。


 イノシシやマンゴーランド、ハウスイーターはドライフードで子供を増やした。


 魔王バチも増える可能性はある。


 蜘蛛族が言うには魔王バチは伝説級の魔物で数は少ない。


 生息地域も狭く限定であったから、誰も見ていないかったのはあり、数が増えるかは不明だが、ドライフードをあげれば、増えることもあるかもだ。


 大量にドライフードを出しておく。


 イノシシのように繁殖してくれれば嬉しい。


 山猫らがぞろぞろと10匹集まってきたからハチミツを少し出すと、食べない。


 猫は甘いのは食べないのは、日本の猫と同じだな。


 代わりにドライフードを差しだすと、かじりつく。


 やっぱり猫はキャットフードが好きでした。


 そう言えば冒険者は山猫を怖がっていたのは、人族から見てもレアな魔物みたいだな。


 俺には普通のノラ猫にしか見えないが。

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