第64話 『064 ベッドが追加される』
『064 ベッドが追加される』
翌朝になる。
ハウスイーターの家にて起きた。
最初だし、俺はドワーフ族と同じ家に宿泊、ドワーネ達はよく寝ている。
ベッドから起きてみると、なんとベッドが増えていた。
「あれ、ベッドが増えている?」
俺が昨日ハウスイーターにお願いしていたベッドの追加をさっそく、かなえてくれた。
人の言葉を完全に理解しているのか、わからないけど、追加された。
「ありがとうな。もっと増やしてくれ」
ドワーフ族10人もいるので、ベッドが足りない問題は続く。
まだ足りないから、再びドライフードを置いておくとした。
これで明日にはまた増えているのを期待したいし、助かります。
ちなみにドワーフ族と寝るのは問題はなかったかと言うと、問題はあった。
なぜならドワーネやドワードが俺と接近して密着するから、ハーレム状態となった。
きっとエルフ族はこれを見たら不満を言うのは確実であるから、黙っておく。
今後の夜の生活は今までよりもハーレムになりそうです。
◇
森の近くの町。
ユウタが牧場を拡大している時に、牧場に来た冒険者らが町に帰っていた。
町に帰り冒険者ギルドへと向かう。
ユウタに会って牧場を見たのは衝撃だった。
目的は達成したのを報告するためで、その呼吸は乱れていた。
冷静ではない顔で、
「ギルドマスター、森から帰りました」
「帰ったか。それで塩と胡椒は渡したか?」
「はい、渡しました」
「良かった。問題ないな。オガーナ、エルフ族エルなどがいるのだろう。我らエルダー町には敵意はないと思っていいのだな」
「渡しましたから、敵意はありませんでした。牧場の主であるユウタはオガーナやエルフ族、蜘蛛族を従えています。山猫もいます。俺達には親切でした。町を破滅させるような考えはないと思います」
「安心した。それだけの戦力があればエルダー町は簡単に破滅だからな。安心した。ご苦労だった」
報告を聞くまで不安だったギルドマスター。
牧場のユウタに敵意はなく、友好的と聞いて安心した。
もしユウタに敵意があれば、話は国家の総力で戦闘になるからだ。
「それがですね、また新たな問題が発生しました」
ギルドマスターは安心した時に冒険者は安心ではなかった。
顔は厳しい。
ギルドマスターの表情とは真逆である。
「新たなとは?」
「このお返しです。牧場の主のユウタが塩と胡椒のお返しにくれた物です」
「見せてくれ、それで何が問題なのか、待てよ、これは、魔物の牙だな。しかも! 見たこともない牙だぞ。鑑定する、ええええええ、これは、イノシシだが、メガイノシシの牙!」
鑑定できるギルドマスターは牙を鑑定し衝撃を受けた。
「やはり」
「ユウタの牧場でメガイノシシを討伐したとなる。それをお返しとは!」
「ユウタは逆らったらメガイノシシのように殺すぞという意味かもしれません」
「世界でもっとも恐ろしい闇の森。誰も闇の森を開拓できない。そこに牧場を作って、メガイノシシまで討伐している。絶対にユウタに逆らうのはしない。今後も友好にしないと町の安全はない」
ギルドマスターはユウタが渡したお返しのメガイノシシの牙を見て、ユウタの脅しだと受け取った。
メガイノシシの強さは町の冒険者が勝てる魔物ではなかった。
目撃情報はあって、冒険者が調査している最中で、もし発見したら逃げるしかない。
国に言って騎士団を派遣してもらうしかなかったところで、ユウタがペットフードの缶詰めで一撃で殺したのだった。
牙はオガーナがメガイノシシを牧場に持ち帰って食べた残りだった。
ギルドマスターからしたら、まさかの報告となった。
予想していたのと違い、ユウタの脅しはギルドマスターの考えを超えていた。
明らかに意図的に町に対して、従えという命令と思うしかなかった。
逆にそんなことは全く考えてもいないユウタは、メガイノシシの牙で仲良くなりたかっただけだった。
超レアなメガイノシシを討伐したので、その牙を贈り物にすれば、きっと町の人は喜ぶに違いないというユウタの勘違いがあった。
ユウタはまだ異世界に転生して来て、闇の森のこと、オーガ族やエルフ族や蜘蛛族のこと、メガイノシシのことなど、あまりにも知識が足りなかった。
足りないから、自分がどの様に町の人から思われるかの想像ができていない。
結果的にメガイノシシの牙を渡したのは失敗だった。
ユウタを怖がらせることになったから。
冒険者ギルドは静かになった。
冒険者ギルドには、毎日多くの冒険者が集まり、討伐依頼などを見ているのだった。
ギルドマスターの会話はギルドの冒険者全員に聞こえていたので、冒険者は停止してしまったのだ。
会話を聞いていた冒険者は、誰もがユウタの名前を覚える。
そしてユウタを災害級の危険に指定されることになったのは、ユウタは知らない。
いつものように牧場の世話をする。
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