第63話 『063 鍋を錬金する』
『063 鍋を錬金する』
エルカは疑問な目でドワードを見る。
俺はエルカ程に疑いの目はないけど、みんなも本当かなって見ている。
ドワードが俺に対して、
「ユウタも嘘だと思うの?」
「俺は疑いはない」
「エルカが信じられないと言うなら、持ってきた鉱石がある。これを使いましょう」
エルカが実際に錬金術が使えるのかを試すと言った。
そこはドワーフ族のプライドがあると感じるから、引けないのだろう。
ドワーフ族の袋を持ち出して、中から鉱石を取り出すと、みんなの前に。
見たところ普通の鉱石。
俺には石ころと同じだが、成分の違いでレアな鉱石にもなる。
鉱石にも種類はあったのは、例えば日本では、石英、黒よう石、マラカイトとか聞いたことがある。
金、銀、鉄も採掘できると聞いていて、ただ持ってきたのは、金ではないのは確かだろう。
「これは鉄に近い金属の鉱石。硬いです」
「うん、硬いね。叩いても割れない」
「ドワード、頼むよ」
「はい、錬金術します」
ドワードは自分の道具を持ったら、鉱石を叩きだす。
俺のイメージとはとは違うな。
イメージでは熱い熱で溶かしてから形にするのだが、ドワードはそのまま叩いている。
少しして形ができていて、鍋っぽく作られてきていて、丸い形に仕上がった。
まるで粘土みたいに扱うな。
硬い鉱石なのに、凄いスキルだな。
「完成しました。鍋になりました」
「凄い!」
「あんな硬い石ころが、鍋に!」
「オガーナなら鍋に詳しいよな」
「この鍋は使えます。うん、私が使うわ」
「すまない。嘘だとか言ってしまい。ドワードに謝る」
「いいのよエルカ。鍋を使ってください」
なんと鍋になった。
持った感触も鍋だし、料理に使えるだろう。
衝撃としかいいようがなくて、オガーナなども謝罪した。
特にエルカは強く疑ったから、恥ずかしがる。
実際にドワードに使えるかを聞いてると、
「この鍋は火で加熱もできるのか?」
「できます。使った鉱石は火にも強いからです。料理に使えます」
「ドワーネにお願いがある。もっと鉱石を取ってくれ。そして鍋や調理の道具を作って欲しい」
「わかりました。採掘しましょう。ユウタの牧場に使えるようにね」
ドワーフ族が来て、さっそく効果が現れた。
オガーナやエルフ族は、初めて錬金術を見たのか驚いていた。
俺は日本の知識と常識があるものの、今のドワードの錬金術は衝撃だった。
いっそう楽しみが増していて、牧場の生活の質が上がるのは間違いない。
アウトドアでも道具があるのと、ないのでは大違いだろう。
ベテランのアウトドア好きなら、鍋やホーローやコップ、に至るまでこだわりがあると聞く。
バーベキューは定番だ。
牧場でもオガーナのおかげでバーベキューに近い料理もできた。
野菜もあればいいな。
バーベキューをするなら、網焼きや鉄板焼が必要だろうから、ドワードに作ってもらうかな。
その日は牧場にて過ごした。
ご飯も食べたし、ドワーフ族と山猫も仲良くしてくれていて、俺は微笑む。
ドワーフ族が来て騒がしくなったが、無事に受け入れられて、ハウスイーターの家にて寝る。
初めてのハウスイーターの家なので、俺もドワーフ族の家に寝泊まりする方がいい。
ハウスイーターは魔物だし不安もあるだろう。
オガーナとエルは、仕方ないかと言っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます