第62話 『062 錬金術スキル』

『062 錬金術スキル』


 歓迎会は盛り上がる。


 ドワーネに詳しく話を聞くと、今後はダンジョンに採掘にも行くとのこと。


「ドワーネは採掘は行くの?」


「行きたい。あのダンジョンにはレア鉱石があると私は予想している。魔族が襲って来たのも、私らからレア鉱石を奪うためだと思うのよね」


「また来たらエルフ族が応援しよう。また思い知らせてやる」


「オーガのパワーもな」


「蜘蛛族の糸もお忘れなく」


「これだけいたら無敵です。常識では考えられない戦力です」


「ユウタの牧場は常識とは違うのよ。ユウタが非常識なのよね」


「えっ、俺って非常識なのか?」


「そうなる。これだけの種族を従える人族は、歴史上でもいるかな。たぶん存在しない」


「喜んでいいのかな?」


「我らが主です」


「誇ってください」


「森の覇者になれます」


「なりたくはない」


 ダンジョンは牧場からも行ける距離にあるから、今後は行くと言った。


 行った際に、また魔族が大軍で来るのは怖いから、その時は直ぐに帰るとした。


 こちらも応援軍を送る。


 そのためダンジョンの入り口にはドワーフ族の人を見張り役にして、魔族が来ないかの監視をすると決めた。


 魔族が来た時に、直ぐに牧場から応援に駆けつければ採掘は可能だし、ドワーフの安全も確保できる。


 魔族は初めて見たけど、まさに異世界マンガに登場しそうな悪そうなキャラだったな。


 撤退したのはいいけど、後で大軍で牧場に押し寄せてくるのは勘弁です。


 魔族の動きは現在は読めないから、少し不安はある。


「魔族について聞きたい。ダンジョンから消えた。牧場に来ることはあり得る?」


「来る可能性はある。ドワーフ族の採掘した鉱石に興味あるなら、奪いに来る」


「私は違う考えで、あれだけ痛めつけたので、簡単には来ないと思う」


「蜘蛛族はいつでも来ていい考えです。魔族との戦いは逃げません」


「わかった。いつ来てもいいような準備はしておこう。それと採掘した鉱石をドワーフ族は売却するのかな?」


「私には採掘スキルがあります。またドワードには錬金術スキルがあります。採掘した金属をドワードが錬金して道具にできますね」


「本当かい、ドワード?」


「錬金術は私の得意。例えば食器などは得意ですね。牧場で使えると思います」


「コップやフォークやフライパンも作れるかい?」


「作れると思う」


「今度お願いしたい。足りない道具があるからな」


 ドワードは錬金術スキルがあるそうだ。


 鉱石から道具、アイテムを作れるというから役に立てると言った。


 牧場にも足りないのは食器類だったから、直ぐにでもやって欲しい。


「ところで採掘スキルとはどんなのよ。エルフ族にはないスキルだな。掘るだけのスキルかい?」


「いいえ、採掘スキルは掘るだけでなくて、レアな金属や鉱石を掘り当てるスキルと言えばいいかな。普通に発見しにくい金属を発見している」


「それがドワーネの採掘スキル。私達はドワーネのスキルがあるから、一緒に来たんです」


「そうです。ドワーネは過去にもレア鉱石を掘り当てている」


「じゃあ採掘スキルがあるから、あのダンジョンに行ったと言うことかな」


「そう思っていいですオガーナ。ただあんなに魔族がいるとは予想外。助かりましたが」


 ドワーネの採掘スキルが発揮されれば希少なレア金属が入手できそうで、また楽しみが増えたな。


 今までは木材しかなかったから、金属があると大変に役に立つ。


「掘るしかスキルがないのがドワーフ族だろう。本当に錬金術までできるとは思えないが」


「疑っていますの、エルカ?」


「嘘の可能性もあると思っただけよ」


「嘘ですって? ドワードのスキルが嘘だと?」


「そうです」


 エルカは疑いをかけていた。


 見るまでは信じられないと言うことだ。


 嘘とまで言い切るのは厳しい意見となるが、エルカの意見も変ではないか。


 錬金術は特殊なスキルで、誰でもできるスキルとは違うと思える。


 異世界マンガに出てくる錬金術師はいて、使い方によっては凄く役に立つのがあった。

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