第42話 『042 バスタオルを作る』
『042 バスタオルを作る』
混浴風呂は気持ち良かった。
風呂から出ると体は濡れているから、困る。
「濡れているな。バスタオルがあれば」
日本ならバスタオルがあるけども、異世界の森でバスタオルを望むのは贅沢か。
自然乾燥でもいいかな。
そのまま乾燥させていると蜘蛛族のクモールラが、
「ユウタ、糸で拭くのを作れます。はい、どうぞ」
「ええっ、キミはバスタオルが作れるのかい。ありがとうクモールラ」
「クモールラは糸で布を作るのが得意です。私が魚を取るのとは違うんです」
「他にも糸から布を作れるなら、服も作れるかな?」
「たぶん作れると思う」
「今度、クモールラにお願いするよ。バスタオルはありがとう」
バスタオルを作れるとは驚いた。
「ユウタの体、ふいてあげる」
「エルサが?」
「はい」
「私も」
「エルミもか?」
「いいでしょ」
濡れた体をクモールラのバスタオルで拭いた。
実際にふいたのはエルミ、エルサだったが。
素晴らしいタオルだな。
水分が完全に取れてしまった。
日本でも最高級の布製品になれる素材じゃないかな。
クモールラの特殊なスキルを知り、今後に期待したい。
クモーナが川での魚取りとは違う特性だった。
蜘蛛族には見た目は同じに見えるが、個性があるようで、それはエルフ族も同じか。
エルナが火を使えるし、それぞれ個性があるから、個性を活かしたい。
俺がクモールラのバスタオルで水分を取るとエルが、
「ユウタの次にバスタオル使うわ。貸して」
「はい、どうぞ」
「ありがとう、あら柔らかいわ」
「私にも貸してよエル」
「ユウタの使ったタオルが欲しい!」
「だめよ」
なんだこの光景は。
俺の前で堂々とバスタオルを取り合う。
俺しか男性はいないからいいが、これが日本で男性がいたら、男性はガン見するだろう。
露天風呂は大成功に終わった。
山猫のシロが風呂を見ているが、近くには来ないのは日本と同じか。
日本でも猫や犬は風呂は好きじゃなくて、水を怖がる。
神に近いという山猫といえど水はあまり好きではないようです。
風呂上がりには冷たい飲み物が美味しいと決まっているが、ここは異世界で冷蔵庫はない。
水でも十分だろう。
ご飯はみんなで協力して作る。
アウトドアのご飯はこんな感じなのかな。
俺は完全にインドアでアウトドアに行くことはなかったから、体験はなかった。
今は人もいない森で仲間と暮らしているのは信じられない激変だな。
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