第36話 『036 蜘蛛族』

『036 蜘蛛族』


 絶体絶命になった。


 牧場の近くにこんな危険な魔物をがいたのか。


 エルが宙ぶらり状態になった。


 俺が戦うしかないけど、俺にはペットフードしかないが、ペットフードならやってくれると期待もある。


「ふふふ、残りは人族だけだ。私の糸は絶対に逃げれない」


「逃げれないか。俺は逃げないさ」


 オレの周りに蜘蛛の糸が来た。


 逃げるスペースはないか。


 絶望でも俺はドライフードを出す。


「ドライフードを食ってくれ!」


「なにそれ、意味ないわね」


「ダメか!」


 ドライフードを投げてみるも、糸をすり抜けて地面に落ちた。


 地面に落ちて、蜘蛛族は無視している。


 完全に詰んだか。


 ゲームオーバーなのか。


「うわあああ!」


「ユウタ!」


 俺も糸でグルグル巻きになった。


 エルと同じく。


「最後はよくわからない攻撃だったが、エルフ族と人族を捕らえた。我らの糸に近づいたのが失敗だったのだ。食ってやろう」


「ユウタ、もう終わりです」


「残念だ。終わりだ。おれのドライフードは通じない」


「待ってジャーキーはどうかな?」



「ジャーキーか。まだジャーキーがあったな」


「無駄だ。食ってやる」


「ジャーキーでどうか!」


 エルからジャーキーを出すように言われたからジャーキーを出した。


 腕は糸に負かれていて、簡単には動かせないが、少しは動かせるな。


 ジャーキーをナイフみたいに使えるな。


「また変なのを出したか。無断だよ。エルフ族から食ってしまおう」


「ああああ、ユウタああ!」


「あつ、切れた。ジャーキーが意を切ったらぞ!」


「嘘でしょ! 私の糸は絶対に切れないのに、なせ切れる!」


 ジャーキーは糸を切ってくれた。


 本来は干した肉。


 肉が刃物みたいになった。


 そのまま獲るの糸も切り刻む。


「ユウ、ありがと、助かる」


「ジャーキーてなんだ! なぜ糸が切れたのですか!」


「ほれ、これがジャーキーだ。受けとれ!」


「ジャーキー。何かいい匂いがする。なんだこの匂いは、肉の香りだ、美味しい!」


「食べたな」


「食べてしまった」


「俺の勝ちだな。ジャーキーを食べてしまったら。蜘蛛族、戦いは中止だ」


「はい、中止します。あれ? 私はどうした?」


「ユウタのペットフードを食べるとユウタに従うことになる」


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