第34話 『034』
『034』
冒険者が牧場から去った。
初めての来客なので丁重に扱ったつもりです。
「ユウタの牧場に驚いたみたいよ」
「俺の牧場の初めての来客だ。楽しんでもらいたかった」
「マンゴーも美味しいと言っていました」
「きっと森から町に帰ったら、ユウタの牧場について話すわよ。とてもいい牧場が森にあるぞとね」
「評判になるわね」
「有名な牧場として、多くの人が来ますよ。どうするの?」
「多くの人が来られても困るが、なるべく楽しんでもらいたいな」
「ユウタらしいな」
「私も頑張って牧場を有名にします」
「ありがとうエルナ、エルサ、エルミ、エルカ」
牧場が有名になるか。
考えてなかったが、有名になるのは悪くはない。
ただ受け入れる準備がないだけだ。
牧場が発展すれば、肉を売ったり、取引きは可能だ。
牧場の経営にも繋がるな。
◇
ユウタが冒険者の来客に嬉しく思っていた時のこと。
冒険者らは嬉しいどころではなかった。
冒険者は慌てて牧場から去ったのだった。
「おい、森の中に人がいるから、食料でも奪ってやろうとした。しかし奪うどころじゃなかったぞ」
「殺されていても不思議はないな。なにせ、入ったらいきなり山猫が来たのは驚いた。あれは山猫でも超レア種だろ。伝説級の山猫だった。しかもオーガ族の女と来た」
「あのオーガ族の女はオガーナだろう。オガーナと呼ばれていた!」
「まさかあの災害級のオガーナか! 最悪な強さで、国の戦力と互角と言われる!」
「しかも牧場にはエルフ族がいたが、あのエルフ族は有名な災害級のエルだろ。冒険者が間違えてエルフ族の村を襲ったら、全滅したって言う!」
「そんなのが森の中にあった。しかも牧場をしているとか、危な過ぎる!」
「それに、招かれた家は、ハウスイーターじゃないか?」
「ハウスイーター! Aランク級の魔物!」
「なんで危険なのばかりいるんだよ! それを集めているのがユウタだった」
「ユウタ、ユウタ、恐ろしい人族だぞ」
「町に帰ったら冒険者ギルドに牧場とユウタを報告しよう。災害級に危険な牧場があったとな」
冒険者は逃げるようにして町に帰る。
ユウタが期待していたとは逆に恐れられてしまった。
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