第33話 『033 冒険者が牧場に来た』

『033 冒険者が牧場に来た』


 牧場にいると平和であった。


 異世界マンガだと、冒険者になり、魔王やら魔物の討伐に向かう話になる。


 チートスキルや魔法で戦う話になるが、俺はそこまで冒険はしない。


 あくまで牧場を作るのがやりたい。


 のんびりと川の近くで牧場をするのは、日本にいた俺には充実感がある。


 都会にいたから、こんな森の生活は不可能だった。


 するとシロが攻撃的になってきた。


 山猫らは、急に尻尾を上げて臨戦態勢だ。


「シロ、どうした?」


 また魔物かな。


 ナメタケンが牧場の近くに来た時もそうだったかは。


「ユウタ、私が行く」


「オガーナ、頼む」


 オガーナとシロが確認しに行った。


 オガーナなら魔物でも討伐できる。


 そしてオガーナは戻ってきたら、数人の人と一緒だった。


「ユウタ、この人族は森に冒険者として来ていたらしい。偶然に近くに来たと。交流したいと言っている」


「よろしく、俺はユウタです。ここの牧場を作っているものです」


「牧場? この森で牧場を営んでいるのか。どうしてですか。普通はしないだろう」


「まあ俺は森で牧場するのは問題ないけど」


「本当かよ!」


「なぜだよ!」


「冒険者さんらは森には魔物を討伐とかですか」


「そうです。しかし迷ってしまい森の奥に来てしまった。まさか人がいて牧場をしているとは想像もしなかったが」


 数人来た人は冒険者パーティーだった。


 マンガでは見たことがあるが、実際に見たのは初めてで、ちょっと感動する。


 武器や防具を身につけているのは憧れるな。


 さそがし強い冒険者なのだろうと勝手に予想してしまう。


「あなた方はきっと強い冒険者パーティーでしょう。俺には出来ないけど、休憩していってください」


「ありがとう、休憩するよ」


 冒険者さんには牧場を見てもらい、家に案内してあげる。


 家で椅子に座ってもらい、マンゴーを出した。


 出したのはエルフ族のエルサ、エルミ、エルカ。


 冒険者は嬉しそうにしている。


「マンゴーを食べてください、どうぞ」


「マンゴー! これは、もしかしたらマンゴーランドの?」


「そうです。牧場で作ったマンゴーです」


「イノシシもですか?」


「はい、イノシシもユウタが増やしています。他にはナメタケンも食べています」


「ええ!」


 かなり冒険者が驚いていたのは不思議だった。


 家でマンゴーを食べてもらい、冒険者に休憩してもらって、帰って行った。


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