第19話 『019 家の魔物』
『019 家の魔物』
「家が揺れます! あああああ、家から出ましょう!」
「だめだ、揺れていて、動けない」
「扉が開かない! 閉じ込められました。家の中で吸収するようです。部屋が小さくなっています。魔物は私とユウタを吸収する」
「小さくなっているな。このまま部屋に俺は吸収されるのか」
家の魔物は人を家に招き入れて、その人を吸収するタイプらしい。
植物では昆虫を引き寄せて食べてしまう食虫の植物がいると聞いた。
こいつは同じタイプの性質を持っている。
扉は開かないから、出るのは困難になった、
しかも部屋が勢いよく小さくなる。
このままだと家に潰されるし、吸収されるようだ。
オガーナの腕力を持ってしても、扉は開かないし壊せない。
完全に終わった。
不用意だったのか。
よく考えてみたら、森に急に家が一つだけポツンとあるのは不思議だった。
もっと注意するべきだったと反省。
反省しても遅いか。
こんな死に方は嫌だなとか贅沢ですかね。
「ユウタ、私には家は壊せない。無理です。ユウタのペットフードしかない」
「ドライフードは魔物で、口から食べるものだよ。家が食べるものではないさ」
「わからないです。いっぱい投げてみて!」
オガーナからドライフードを要求されるも、俺は否定的だった。
なぜならドライフードは口から食べるもの。
どこにも口はないわけで、部屋そのものが胃のようなもの。
胃のようなか?
そうか、部屋にドライフードをたくさん投げれば!吸収するかもな。
それは食べたのと同じ結果になるか。
「やってみる、ドライフード、食べてくれ、家の魔物!」
ドライフードん大量に出した。
猫のデザインの袋。
袋を開いて、床に投げた。
ドライフードが大量に散らばる。
これしか俺にはできない。
ドライフードがダメなら本当に終わりだな。
部屋はどんどんと小さくなり、勢いは止まらない。
やはり無駄だったか。
「無駄かな」
「ユウタ、無駄じゃないです。小さくなるのが止まりました。揺れもなくなった」
「本当だ。停止したぞ。もしかして床のドライフードを吸収したのかな」
「たぶん吸収したのでしょう。そるが魔物の敗北でした。扉が開きました」
オガーナと家の外に出た。
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