第12話 『012 イノシシは美味しい』

『012 イノシシは美味しい』


「美味しい美味しい」


「オガーナがいてくれて助かる。俺が一人では無理だった」


「私もユウタの牧場を一緒に作ってみたい。面白い」


「面白いなら良かった。水もあるし、食料もある。今後も牧場を発展させる予定だ」


「ユウタは変わっているな。この森で牧場を作るのは、歴史上いないよ。普通に人族は森に来ても逃げていくから」


 どういう原理で生ハムっぽくなったのか、わからないが、オガーナの料理が美味しくさせたのかな。


 オガーナといると牧場を作るのが楽しい。


 ご飯も食べたし、この日は寝るとした。


 牧場を作ったけども、俺が住む家がまだなかった。


 家を作るのは大変だし、少しずつでも作れたらいいか。


 オガーナはペロリとイノシシを食べてしまい、眠りについた。


 俺はオガーナの横で寝た。










朝だった、何か騒がしい。


「なんだ、ああ、柵が壊れている!」


「ユウタ、どうしましたか?」


「牧場の柵が壊された。見てみて」


「本当です。壊れている。この壊しかたは魔物ですね。あれです」


「猫?」


「山猫です。イノシシも襲う。性格は狂暴です。柵が邪魔だから壊したんです」


 オガーナが山猫だと言った。


 起きると柵が壊れていて音がしたから起きた。


 山猫が襲ったらしく、イノシシが何匹か食べられている後だった。


 まいったな。


「作った、その日に壊されるとは。オガーナがいるし警戒しなかった」


「私は寝ると起きないです」


「そうですか。これ以上は食べられないようにする」


「私が山猫を捕まえてきます。殺してやりますよ。お待ちを」


 オガーナが山猫を発見して、捕獲に向かう。


 いや猫は日本にもいるが、とても素早いし、俊敏である。


 オガーナが捕獲に行くも、ちょっと無理だろうと思った。


 体は俺が170くらいであるのに、俺よりも高い。


 大きい体型で山猫に追い付くのも困難だろうな。


「捕獲しました。全部で2匹です」


「速い、捕獲できんの!」


「当然です」


 オガーナが帰ってきて、両手に山猫を持っていた。


 すげえな。


 どんだけ速いんだよ。


 手に捕まれて観念した山猫は、日本の都会にいる猫よりも大きいか。


 野生の猫って感じがした。


「さてどうするかな。もうイノシシを食べてしまったからな」

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